今年の赤本を作るにあたって、当初考えてきたことがあった。
昨年のセレクトセール時、1歳馬を買う新人馬主(高校の同級生)と入念に下見をして、特にノーザンファームについてはかなり「取材」したのだが、なにせノーザンの馬は高くなるので、結果的に買えなかったのである(ちなみに買えたのが、さとう珠緒推奨馬のスペシャルウィーク×ミスユーフラン=社台ファーム産)。
ならば、その成果を赤本で……と思っていたのだが、いざその段になるとノーザンファームの原稿担当は村本君だし、セール時に見たものと後期育成に入ってからの評判がいまひとつかみ合わなかったりもして、あまり反映できなかった。
なんか、もったいないことになった気が……と思っていたところ、ふとした拍子に昨年のセール時に作った資料が出てきたので、その中から何頭かピックアップしてみよう。
下見時には馬を見ることはもちろん、性格や放牧中の活発さなども話として伺うので、それらを総合してセール時に高評価していたのがこちら。単に高評価していただけで、ハナから価格帯等に無理という馬も含めて。
・キングカメハメハ×アドマイヤフッキー
・アドマイヤムーン×アドマイヤテレサ
・ステイゴールド×ゴーオンマイウェイ
・ウォーエンブレム×イサドラ
・キングカメハメハ×エルダンジュ
・アドマイヤジャパン×ステージヴァージン
・ディープインパクト×クライウィズジョイ
・チチカステナンゴ×プロモーション
これが見事なまでに、厩舎原稿や村本原稿に出てこなかったのである。出てきたのはクライウィズジョイ、エルダンジュ、プロモーションくらいか。
村本氏に馬を指定して「これ入念に聞いといて」とやればよかったのだが、しかし無理に聞いて無理にほめさせてしまうというのも考えもの。母クライウィズジョイだけはどうしても上位で推したかったので扱いを大きくしたが、他馬については「馬なりの対応」ということにした。結果、本文中に出てこなくて私のシルシだけついているようなことになっている。
もしこの中からなにか走る馬が出てきたら、「中期育成時点での評価もPOGのヒントになりうるのかも」ということで、来年は村本原稿でのフォロー等も積極的にお願いしていくことにしようかと思う(今年も1歳セリには参加するので)。
以上、赤本掲載馬の「近況」ではなく単なる裏話になってしまったので、最後に前回の原稿で触れたカレンバッドボーイについて追加情報。暑くならないうちにNFしがらきまで持っていったほうがよいという橋口師の意見と、まだ良くなっていっている最中という牧場の見解とを刷り合わせた結果、6月終盤、27日前後にNFしがらきへ移動するということで落ち着きました。可能性の高いデビュー時期としては、前回書いたとおり4回阪神あたりの予定。
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なお、赤本取材班によるnetkeiba.comのコラム「POGの達人コーナー」では、6/1(金)から隔週で、須田鷹雄さん、辻三蔵さん、村本浩平さん、吉田竜作さんによる赤本掲載馬の近況情報をレポート形式でお届けします。赤本をご購入された方は必見の情報です。お楽しみに! |