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オルフェ、当日のポイント

  • 2012年06月22日(金) 12時00分
 先週、震災以降、はじめて福島の地へと降り立ちました。

 騎手時代に滞在をした地でもあり、また毎年あたりまえのように夏競馬に通っていた街。馴染みとなったお店の人々が、どうされているのか?どんな思いで今いらっしゃったのか…ずっと気になっていました。

 土曜日BS11の出演後に東京から福島へ入り、すぐにいつも通っていた焼き鳥やさんへ。変わらない店内の様子と、満席にも近いお客さん方。

 ホッとする光景に胸をなでおろすと、手元のお箸が、これまでの使い捨ての割り箸から再利用できる樹皮製のものへと変わっていました。「本当に大変で…。いろんなことを考えさせられました。とにかく今は、全ての物や人に感謝の思いで、過ごさせてもらっています」と女将さん。

 その言葉に、人は生きているのではなく自然と人と共存しながら生かされている、このことを私自身もいつまでも忘れてはいけないと、改めて感じました。

 さて話は変わり、いよいよ今週は、上半期のG1を締めくくる宝塚記念となります。

 注目のオルフェーヴル、帰厩以降追いきりの様子など生で見ていますが、天皇賞前の直前と比べると、目にハキが戻ってきているようには感じます。

 しかしながら体はまだ細く、前捌きの硬さも見受けられますし、私自身が最も心配に思うのが彼の顔つき。

 阪神大賞典前に見せていたマントヒヒのような群れをなす王者の風格が、今は感じられないのです。

 連勝してきた馬が2戦負け続き。しかも前走においては、大敗…。

 調教再審査をうけなければならなくなった時点で最も心配をしていたオルフェーヴルの本能的な部分が消えてしまっていなければいいのですが…。

 こればかりは、当日のパドックでの様子が重要となる気がします。

 私個人の意見としては、落ち着いているよりも、少々速歩になってもOKなので、燃えている方がいいのではないかと思っていましたが、なんと取材の中で池江師に、「当日の雰囲気は、どのような感じだったら先生は良いと感じていますか?」と質問したところ、全く同じ返答が返ってきました。

 やはりこの馬は、闘争心あってこそのタイプ。

 パドック、是非とも皆さんもチェックされてみてはいかがでしょうか。

 さてオルフェーヴル以外の出走馬ですが、特にいい調子を感じるのが、同厩舎馬のトゥザグローリー。

 夏に弱いイメージもある彼ですが、この中間は調教時間を朝1番の涼しい時間帯に行い、馬もすこぶる元気。走る気が漲っているように感じます。あとは、ルーラーシップにウインバリアシオン、ショウナンマイティまで。

 それでは皆さん、当日は是非とも阪神競馬場もしくは関西テレビ「競馬BEAT」でお逢いしましょう。

 ホソジュンでした。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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