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効率化の背景で…

  • 2012年07月06日(金) 12時00分
 今週月曜日、前々から決意をしていた、あることを実行しました。

 そのあることとは、今まで使用をしていた携帯電話をスマートフォンにチェンジ。アナログ派の私にとっては、とてつもなく勇気のいる決断ではありましたが、まだ30代、少しは時代についていこうと気張ってみました。

 まだ数日ゆえ格闘する毎日ではあるのですが、徐々に理解することができるたび、世の中にはこんなに便利なサイトがたくさんあるのだなぁ〜と関心をさせられる日々。しかも無料なものも多く、理解しきれないことばかりですが、とにかくその機能に驚いています。

 気づいていなかっただけで、世の中は凄い進化を遂げていたのですね…。

 さて話は変わり、私にとって夏競馬の素晴しい点と言えば、騎手時代もそうでしたが、今現在においても共通する事柄が1つあります。

 それは、人との交流がよりディープになることだと感じています。各々の開催場での出逢いはもちろんですが、それ以上に日頃から一緒にお仕事をさせてもらっている方々とも、電車の待ち時間や車中での時を共に過ごせ、時間があるからこその、これまでとは違った会話も生まれます。

 より深い話しであったり、逆にくだらなさすぎて笑えてしまうことであったりと、日頃感じることのできなかったその人の部分に触れ、逆に自分自身が気づかされることや、学んでいることが多いように思えます。

 私は中学の頃から騎手を目指し、それ以来は、騎手になるためになにが必要かだけを考えて生活をしてきたところがあります。もちろん、そのすべてを否定することも後悔をすることもないのですが、時折自分自身の考え方に戸惑うことや疑問に思えること、また周囲の人々との関係性において自分自身が欠落している部分がとても多いと感じてきました。

 よく昔の大人たちが大事にしてきた、
「子供の時には、子供らしく過ごせばいい。」という言葉の意味が、今になって理解できるような…。

 冒頭で書いた電話もそうですが、交通機関においても時間の短縮化がどんどんと進み、いろんな意味で効率化がはかられ便利な世の中になっていますが、短縮化によって失った時間の中にこそ、大切なものもいっぱい詰まっていたようにも…。

 馬の世界でも効率化がドンドンと進み、馬の入れ替えも激しくなりつつあります。

 それに平行して、厩務員さんや持ち乗り助手さんが1人2頭を担当してレースへと送り出す担当制から、厩舎全体として管理をするプール制にも変化。

 どちらが良いとか悪いとかといった話ではないのですが、効率化が図れる一方で、経験によって培われる技術や、ユトリの中から見出せるなにか、そして人と人とのかかわりを失っているのかも…夏競馬の車中でそんなことを感じました。

 さて、今週は中京競馬場でプロキオンSが行われます。連勝中で挑むファリダットは、ここにきて心身のバランスがとれてきた感じ。

 佐藤騎手は、
「左回りの方が、この馬は乗りやすいようにも感じる」と期待をしている様子。しかしその一方で、暑さに弱いファリダットゆえ、そのあたりは当日のケハイが注目となりそうです。

 それでは週末は競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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