今週の火曜日、北海道ではセレクトセールが開催され、栗東トレセンには調教師が誰もいませんでした。正確に言うと、定年前の先生をひとりふたり見かけただけ。そんなわけで一般的な取材は、はかどりませんでしたが、その分のんびりした取材ができました。
こんな呑気な日は競馬の着順は関係なく、いちばん会いたい馬に会いに行こう! というわけで、今年前半でいちばん取材したシゲルスダチの顔を見に行きました。
NHKマイルCの落馬で一躍有名になったシゲルスダチ。自らも数十メートル滑ったにも関わらず、落ちた後藤騎手を気遣う様子が見られたため、一部報道では平成のキーストンのように扱われています。が、しかし。その素顔はやんちゃないたずら坊主なのであります。
馬具がいっぱい
スダチが調教に向かうとき、その顔にはいくつもの馬具が重ねてつけられています。これはスダチは普段からやんちゃで、決して人の言うことを鵜呑みにして従順に聞くタイプではないから。しかも、その馬具をスダチはなかなかつけさせてくれません。
顔をイヤイヤするように振っていつも担当の鈴木さんを困らせます。スダチはジャレているつもりなのかもしれないけど、いくら小柄とはいえ400キロもありますから。スダチがブンッと首を振り回すだけで人はアザができたりします。鈴木さんは「平気ですよ」とにっこり笑うけれど、毎日毎朝スダチのやんちゃに付き合うのは大変だろうなぁ、と察します。
しかも! 先日、掲載したとおり、寝起きも悪くて起こしてもなかなか起きないし。本当に超マイペース。にもかかかわらず、カメラを向けるとカメラをのぞきこむように真っ黒なつぶらな瞳をまっすぐこちらに向けるのです。これは不思議です…。結構、出たがりな性格なのかも。そういう意味でも、スダチは天性のアイドルなのかもしれません。
お掃除手伝いまっせ!
この日は鈴木さんがほうきを持って掃除していると「かまって!かまって!!」とばかりに鈴木さんにジャレてきました。そのうちに、鈴木さんが持ったほうきがお気に召したようで、勝手にくわえてほうきを奪っていました…。
スダチ、お掃除したいの?
と思わせたのもつかの間、すぐにポイッと離してしまうのですから、なんて自分勝手! とはいえ、そのときの様子はどれをとっても可愛いのです。いやいや、罪な男の子です(笑)。
次走は北九州記念の予定。九州のスダチファンのみなさま、楽しみにしていてくださいね。なお、シゲルスダチに関する情報は、この連載でも触れていきたいのですが、このままでは連載がスダチづくしになってしまいます。掲載スペースに制限もあるので、今後はわたしのブログ
「ねぇブロ」でちょいちょい触れていきたいと思います。併せてお楽しみに!
スダチの隣の馬房には、かつてフィールドルージュを担当していた中西調教厩務員がいます。その中西調教厩務員は二分厩舎時代、ツルマルツヨシを担当していました。
ツルマルツヨシ、元気です
5歳秋に藤田騎手を背に朝日CC、京都大賞典と連勝しましたが、脚部不安に悩まされ、GI優勝を切望されながらも引退を余儀なくされました。その後、京都競馬場で誘導馬に転向しましたが、2007年に引退。現在は宮崎県で余生を送っています。
昨年前半まではオーナーがいたのですが、紆余曲折あり、現在は中西調教厩務員が主催する「ツルマルツヨシの会」が余生を支えています。
「ツヨシはいま、蹄葉炎をかかえながらものんびりと毎日を送っています。腹痛を起こして調子が悪いときもありましたが、いまは元気です」(中西調教厩務員)
わたしもこの会の発起人を務めています。もしも、興味のある方がおられましたら、
「ツルマルツヨシの会」までご連絡ください。よろしくお願いします。