スプリングSといえば、なにはともあれ気になるのがサクラプレジデントの武幸四郎への乗り替わりである。
これほどの有力馬の鞍上がここまで決まらなかったというのはなかなか珍しい話だと思うので、今回は「乗り替わり」をテーマに考えてみた。
G1本番における乗り替わりはまた別として、その前哨戦における乗り替わり馬と、同一騎手の継続騎乗馬ではどれくらい成績が違うのか、ということを調べてみたい。
まず、「1〜6月・3歳重賞・芝(牝馬戦も含む)・過去10年」という大きな括りで調べてみると、
(勝率-連対率-単回収-複回収)
同一騎手(9.3%-17.6%-62%-74%)
乗り替わり(4.8%-10.6%-84%-71%)
単勝回収率は上がるが複勝はダウン。回収率で大きなメリットがなく、勝率・連対率(的中率に直結する)には響いてしまうのだから、乗り替わりが良いとは言えない。
ちなみに、1番人気限定だと、
(勝率-連対率-単回収-複回収)
同一騎手(41.4%-57.2%-82%-86%)
乗り替わり(28.6%-42.9%-68%-68%)
となっており、これだけを見ればサクラプレジデントを消すことも可能である。
ただ、サクラプレジデントの乗り替わりはいわゆる「捨てられた」ケースとは状況が異なるし、スプリングSでは昨年タニノギムレットが武豊→四位の乗り替わりで1番人気優勝を果たしている。
そこで、スプリングS限定で調べてみると、こうなる。
(勝率-連対率-単回収-複回収)
同一騎手(9.5%-20.3%-77%-62%)
乗り替わり(4.3%-7.2%-72%-77%)
乗り替わり馬は穴馬で回収率を維持している形で、一般的には人気の乗り替わり馬を買うのは得策ではない。
サクラプレジデントは馬自身の能力がありすぎるので切りたくはないのだが、せめて人気どうしの「乗り替わり−乗り替わり」という組み合わせは取らないようにするのがよさそうだ。そうなると、ネオユニヴァースとの組み合わせは強調できないということになるわけだが…。