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凱旋門賞へ向けて、そして

  • 2012年07月20日(金) 12時00分
 凱旋門賞、オルフェーヴルの参戦が正式決定すると共に、鞍上にはスミヨン騎手とのコンビで向うと発表がなされました。

 新馬戦からコンビを組み戦ってきた池添騎手の心情を考えると、この現実は相当辛いことでしょう。ましてや新馬戦では自らもケガをし、恐怖との戦いもあった中で歩んできた過程もある馬。また凱旋門賞を意識するようになってきてからは、フォワ賞や凱旋門賞のビデオを何度も見、心の準備もしてきた中での乗りかわり…。

 池添騎手の心情を考えると胸が締め付けられる思いではありますが、その一方で、これまでのスミヨン騎手が日本で見せてきた騎乗振りはもちろんのこと、ブエナビスタでの悲劇的な降着からの1年後、岩田騎手でジャパンカップを制した際、ブエナビスタの元へ向い、ハナズラを撫でて彼女の勝利を喜んだスミヨン騎手のあの行動を思い起こすと、私はスミヨン騎手という人は、馬を愛し、その馬の能力をストレートに発揮させてあげたい、証明させてあげたいという思いの中で騎乗をし、心底、馬を愛している騎手なのだと感じました。

 だからこそスミヨン騎手ならば、オルフェーヴルがこれまで歩んできた道のり、そしてそれに伴うオルフェーヴルの心の面、また日本の競馬ファンがどれほどこの馬に期待をしているのか、その全てを理解した上での騎乗を見せてくれるのではないだろうかという思いもします。

 私個人としては、阪神大賞典前に見せていた王者のような雰囲気溢れるオルフェーヴルが1番好き。秋、再びそんなオルフェーヴルに会いたい、見たいという思いが強いです。

 とにかくオルフェーヴルがオルフェーヴルらしく、そしてノビノビと輝ける姿を、秋、異国の地で見たいです。

 さて今週は、中京記念が行われます。

 注目は、ダノンヨーヨー。陣営も、「やっと連勝をしていた頃の雰囲気になってきた」と、明るい表情。

 馬体の張りもさることながら、馬房の前に行くと、ここ最近には見られなかった、耳を絞って、(ナンダヨ、お前!)と、この馬らしい、いい意味での生意気さが。期待します。

 それでは皆さん、また来週お逢いしましょう。

 ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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