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単純調査から意外な結論

  • 2003年03月24日(月) 11時53分
 高松宮記念については数週間前から色々な原稿を書いているのだが、土壇場になって「ものすごくシンプルに考えてみたらどうか」という考えが浮かんだ。

 例えば、出走馬の父について、中京芝1200mでの産駒成績を単純に見てみる、といった手法である。

 対象期間は93年1月から今開催1週目までの約10年間(ほとんどの種牡馬はこの期間に産駒の全てがすっぽり入る)。未勝利からG1まで、あらゆるクラス・あらゆる条件を対象にした超単純調査である。

 主な出走馬の父(産駒出走数の少ないものは除く)について、連対率・単回収率・複回収率を並べるとこのようになる。

           (連対率 単回収 複回収)
ウォーニング     (21.4% 146% 71%)
サクラバクシンオー  (23.7% 198% 129%)
サンデーサイレンス  (19.9% 33% 57%)
スターオブコジーン  (28.0% 370% 257%)
トニービン      (13.9% 69% 75%)
ロドリゴデトリアーノ (19.1% 193% 131%)

 単純な調査からけっこう重要な結果が得られたという印象だ。

 まず、サクラバクシンオーがこのコースを得意とする度合いはハンパでなく、実績組ではショウナンカンプを重視するしかないことが分かる。ビリーヴ(SS)では回収率が全く足りないし、サニングデール(ウォーニング)は単の数字だけが良いため、1着か3着以下かというタイプのショウナンカンプとは組ませにくい。

 むしろゴールデンロドリゴ、ネイティヴハートといったコース替わりで狙い目が増す馬がいるのだから、ショウナンカンプからこのあたりへ流す馬券を重視してみたい。

 あとは遠征馬を含む外国産馬(サンプルが少ないため結論が出ない)を多少押さえればいいだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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