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気持ちの切りかえ

  • 2012年08月24日(金) 12時00分
 あ〜ほんとにスッキリとした気持ちになった先週の札幌記念。

 太宰騎手の、愛馬の強さを信じての勝負にでた騎乗振りが最高にステキでしたぁ。

 思い起こせば、東京新聞杯に出走をした時からヴィクトリアマイルを最大目標として歩んできた太宰騎手。

 あたためてきた思いの最中、乗り替わりという現実を突きつけられG1騎乗できなかった心中は、相当辛いものがあったことでしょう。

 それだけに、コンビ復活の依頼を受けての今回は何としてでも結果を出したいという強い思いがあった様子。

 また愛馬の6歳という年齢を考えても、今年の秋がこの馬にとってのG1獲得へのラストチャンスとも…。

 今回の勝利は、本当にいろんな意味で価値あるものだったように感じます。

 しかしながらフミノイマージンを通して太宰騎手を見ていると、耐える時は寡黙に耐え、そしてしっかりと気持ちを切り替えて、なおかつ再度巡ってきたチャンスをものにするあたり、人としても、凄いなぁ〜と尊敬します。

 騎手時代にも感じていたことなのですが、いかに気持ちの切り替えがスピーディーにできるか?これって本当に重要なことで、それによって、未来がかわってしまうことも。

 現役時代はもちろんのこと、今でも私はとにかく、気持ちの切り替えが下手くそ。

 未だに人間関係や仕事で後悔がある時は、いつまでもマイナスな気持ちを引きずってしまい、中々そこから抜け出せない。そして気づけば、その泥沼を自分自身で拡大してしまっていることも…。

 自分でも言うのもなんなのですが、変に真面目すぎちゃうというか…それしか考えられなくなってしまう性格で、気持ちに余裕がもてないタイプ。そう、最近ようやく自己分析の末、そのことに気づき、そして改善しようと模索中。

 よく昔、騎手は次の勝負服を着た時点で前のレースのことを忘れていなければならないと言われますが、それって本当に難しいことですし、やはり騎手に限らず、馬自身もレース後の気持ちの在り方が馬それぞれに違い、またレース内容によっても、かわってくるもの。

 よって担当される方の中には、レース後の雰囲気によって、クーリングダウンの時間を変える方もいるのです。やはり次にいい仕事ができる為にも、大事なことは気持ちのリセットということなのでしょう。

 今回の札幌記念、太宰騎手の勝利から学ぶこと、私自身もたくさんあったなぁ〜と感じるものでした。

 さて今週末ですが、金曜日は北海道のラジオ番組に出演させて頂き、土曜日はエルムステークスの観戦と誘導馬の騎乗。

 そして日曜日は、新潟でイベントに参加。

 皆さん、競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。

 ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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