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距離短縮馬に注目

  • 2003年03月31日(月) 11時53分
03.04.01

 古馬に限って言うと、中山のマイル重賞というはのは本命傾向が強い。ダービー卿CTもその昔はけっこう荒れたものだか、過去10年に限ってみると人気サイドの好走が目立つ。


 ならば人気馬を買えばいいじゃないか、という風に考えがちだが、人気の馬を買って回収率をプラスにもっていくのは難しい。本命傾向の強いレースでも、回収率が85%前後に落ち着いてしまう確率が高い。

 そういう場合は、レースを「見」するか、「本命傾向が崩れるとしたらどういうケースか」を考えるしかないと思う。

 見するという話ではコラムにならないので、とりあえず馬券を買う方向で話を進めよう。

 人気=大勢のイメージが覆る際に大きなポイントとなるのが、コース替わりという要素である。漫然と馬券を買っている競馬ファンは路面への適性や血統ごとの特性を無視している傾向があり、その裏を突けばおいしいオッズにありつけることが多い。

 本当なら各馬の血統・成績と前走コース・今回コースを照らし合わせ、「今回期待できるプラスα」を計算すればよいのだが、そこまでやると話が複雑すぎてこのスペースには収まりきらない。そこで、今回はよりシンプルに、前走距離に絞って話をしてみよう。

 中山芝1600m・古馬戦についてデータを見てみると、前走も芝1600mを走っていた馬の回収率は単複とも60%台である。前走も同じ距離を走っている馬はファンが正しいジャッジを下しやすく、過少人気になりにくいからだろう。ちなみに、前走芝1400mの馬も回収率は低い。

 一方、回収率が高いのが前走芝1800mを走っていた馬たちだ。単勝はプラスで、複勝も90%台ある。その数字を支えているのが、「1ハロン短縮でよみがえった馬」。前走同じクラスの芝1800mで6着以下に敗れていた馬の回収率がなんと単複ともプラスなのである。単純な能力評価・成績評価では分からない競馬の面白さとも言えよう。

 今年も人気であっさりなら仕方ないが、穴馬に網を張るならば、距離短縮馬には目を向けていただきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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