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アドマイヤグルーヴの距離短縮は?

  • 2003年04月07日(月) 14時33分
 桜花賞を予想するにあたって、ひとつのポイントとなるのがアドマイヤグルーヴの取捨である。

 前走2000mからの桜花賞挑戦は過去に例が無いわけではないが、桜花賞で上位人気になるようなケースは無い。単に「強いから」というだけで買うのではなく、なんらかの検証が必要だろう。

 そこでまず、阪神芝1600m(新馬・未勝利戦除く、93年以降)における、前走距離別成績を調べてみた。

前走距離(勝率 連対率 単回収率 複回収率)
1400m(6.6 11.6 81 66)
1600m(8.9 18.3 83 86)
1800m(7.4 15.2 98 90)
2000m(8.4 17.8 77 67)
単位は%

 1800mからの1ハロン短縮は回収率が高いが、2000mからの2ハロン短縮は最も信頼性の高い指標・複勝回収率が67%しかない。勝率・連対率は高いのだがオッズがついていかない印象で、今回のアドマイヤグルーヴも本人の強さ以上に、「オッズが足りない馬」になるような気がする。

 もう一点、私が懸念しているのは、アドマイヤグルーヴがこれまで経験してきたレースが、すべて中距離のスロー・上がりの競馬だということだ。

 そこで、こんな調査もしてみた。「レースの上がりが34.5秒より速かった芝2000m戦(ちなみに若葉Sは34.2秒)に出走した馬が、次走芝1600mに出走した場合の成績(93年以降)。

 結果は勝率7.3%・連対率9.8%・単勝回収率81%・複勝回収率49%。平均出走頭数と比べて、勝率・連対率は低い。また、基準を34.9秒にしても単勝回収率63%・複勝回収率59%で、あまりパっとした結果にはならない。

 アドマイヤグルーヴが底力で全てを解決するというシナリオはある程度の確率で発生しそうだが、少なくともオッズはリスクに見合ったものにはならないだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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