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前哨戦の意義、そしていよいよ

  • 2012年10月05日(金) 12時00分
 先週のスプリンターズS、良いレースでしたね。

 枠順が出た瞬間、有力馬たちが外枠にかたまり、どんなレースとなるのかな? といろいろ想像しましたが、終わってみれば岩田騎手の見事な騎乗振りが光る内容でした。

 それにしても、岩田騎手の凄さというのは本番でキッチリと結果を出すところ。そして、それは単に偶然や馬が強いからというものではなく、本番から逆算されての前哨戦を行っているところなのではないでしょうか。

 ロードカナロアとは、今回が2戦目のコンビとなりましたが、初コンビとなったセントウルSでは、馬の脚の持続性や反応、折り合い面といったことはもちろん、カレンチャンとの本番での斤量差など、私では想像もつかないような、いろいろなことを考えてのものだったように思えます。

 本人曰く、「昔の自分はノミの心臓だった。だからレース前にプレッシャーで嗚咽や吐き気をもよおすこともあった。でもブエナビスタとの経験が自分を強くしてくれた」と、今回の騎乗もそうだったようですが、レース前に自分を見失うことなく、いい意味でリラックスしてゲートインできた様子。

 来週にはこの秋競馬における大仕事の一つ、史上4頭目の牝馬3冠に向けたジェンティルドンナの騎乗が待っていますが、今の岩田騎手ならば、また素晴しいレースを見せてくれそうな気がします。楽しみです。

 さて話は変わり、ここに来て凱旋門賞に出走を予定していた馬たちが続々と回避に。スノーフェアリーやデインドリームがオルフェーヴルと一緒に走るところを楽しみにしていただけに、ほんとに残念…。

 オルフェーヴルは最終追いきりを終えたようですが、とにかく無事に本番へと進んでほしい、そう願うばかりです。

 そして日本の競馬ですが、今週は3日間開催。毎日王冠は、G1並みの好メンバーですし、無敗のG1馬3歳のカレンブラックヒルが、一戦級の古馬に対してどのような走りを見せるのか? など、見どころも満載。

 そして月曜日には京都大賞典が行われますが、私も大好きなフミノイマージンが紅一点での出走。今回、初の2400mとなりますが、その点について太宰騎手は、「長いのは長いけど今は折り合い面での心配も少ないし、頭数が少ないのもこの馬にとってはプラス」と、イメージはできている様子。

 馬の具合も前走以上のデキにありそうです。

 それでは皆さん、思う存分3日間競馬そして凱旋門賞を楽しみましょう。
 ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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