岩田が“強い気持ちで乗った”と振り返る桜花賞、川田が岩田の意を継ぎ、落ち着いた騎乗で馬の強さを最大限に引き出したオークス。鞍上も称賛されて然るべきレースであったが、やはり主役は馬。ここでジェンティルドンナに話を戻そう。
ここまで、岩田が強調するのは、3歳牝馬にして実に頼もしい“乗りやすさ”である。たしかに、2戦目の未勝利戦(1着)で手綱を取ったメンディザバルも、レース後「馬が何をするべきかわかっているような感じだった」というコメントを残している。そのメンディザバルの言葉を受けるように、岩田もパートナーについてこう語る。
「とにかく無駄なことをしない。あの馬、賢いんでしょうね。普段はわがままなところもあるけど、すごく甘えん坊でね。暴れるときは、がツン! とやるけど、どちらかといえばおっとりしたほうやね。レース中も悪いことはしないし、なにも悩むことはないですよ」
ウオッカやブエナになれる可能性は・・・
と、聞けば聞くほど、ジョッキー孝行な馬である。さて、岩田といえば、ウオッカ、そしてブエナビスタという、歴史的に名牝の背中を知っている。現時点で比べるのは酷だと知りつつ、ジェンティルの可能性について、岩田の手応えを聞いてみたくなる。
「ブエナビスタに匹敵する馬か