悔しいもなにも、悪いのは自分
一冠目を強い競馬で制し、いざ、オークスへ──。最高のスタートを切ったかに見えた岩田の春だったが、そこは人生、好事魔多し。桜花賞から3週間後に行われたNHKマイルCでマウントシャスタ(6着入線も失格)に騎乗した岩田は、直線でシゲルスダチの進路を妨害したとして4日間の騎乗停止処分を受けることに。
「そりゃあ、オークスは乗りたかったですよ。でも、悔しいもなにも、悪いのは自分。結果を出すことが自分の仕事だと、気持ちを切り替えた。落ち込んでる場合じゃないと思った」
オークスには乗れなくなったけれど、その先にはダービーがあった。それでも、以前の岩田なら自らを責め、誰の目にも明らかなほど、落ち込んでいてもおかしくはない出来事。が、このときの岩田は、懸命に前を向いた。ダービーでのパートナー、ディープブリランテに付きっきりで調教を施し、きたる大一番へ向け、濃密な日々を過ごした。そんななか迎えたオークス。はたして岩田は、どんな気持ちで観ていたのだろうか。
「オークスは自宅で観てました