長丁場は心理戦なんです
一か八かの競馬で、最後の一冠をもぎ取った2010年の菊花賞。それは、川田が語った通り、コース形態を利用しての賭けであった。ジョッキーの技量が如実に現れる長丁場を、「おもしろい」という27歳。そんな彼に、京都3000mの勝負のポイントを聞いてみた。
「まだ経験の浅い僕が言うのはなんですが、やっぱり展開をどう読むかでしょうね。近年は、後ろがけん制し合って、結果的に前に残られるパターンが多いですよね。そんななかで、どこに位置して、どこで動くか。そのときに、どれだけ前と離れているのか…。ポイントを言い出したら、切りがないですね」
“展開をどう読むか”──すなわち、長丁場はジョッキーの心理戦。ビートブラックが逃げ切った今年の天皇賞(春)など、まさに人気サイドのジョッキー心理を逆手に取った、してやったりの勝利である