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理由無く消えることのある天皇賞人気馬

  • 2003年04月28日(月) 13時05分
 データ系の原稿では書き尽くされてきたことだから、次の2点については既に皆さんご承知の通りだろう。

・天皇賞は基本的に人気馬が強いレースである
・しかし、既にG1格を手にしている圧倒的な人気馬がいないケース(スダホークやスルーオダイナやエアダブリンが人気だった年)はすんなりとは決まらない

 今年の場合、トーホウシデンが1週前に順調さを欠いたことで、ダイタクバートラムが人気になりそうである(少なくとも現段階で私はそう読んでいる)。パターンとしての2項目目の年にあたるわけだ。

 となると、穴を狙う→人気馬が飛ぶことを意識して馬券を買う人が多くなるわけだが、では、過去に人気で飛んだ馬は実際どんなローテを辿っていたのか、おさらいしてみよう。以下は、過去10年の天皇賞・春で1〜2番人気になりながら、4着以下となった馬の前2走である。

・98年シルクジャスティス(1番人気4着)
有馬記念1着→阪神大賞典2着

・96年マヤノトップガン(2番人気5着)
有馬記念1着→阪神大賞典2着

・95年エアダブリン(1番人気5着)
ステイヤーズS1着→ダイヤモンドS1着

・95年インターライナー(2番人気4着)
日経新春杯2着→日経賞1着

 表面上、なんの問題も無いのが特徴だ。着順も優秀だし、距離の壁云々ということでもない。ちなみに、スルーオダイナ(89年1番人気3着。ダイヤモンドS1着→阪神大賞典1位失格)やマチカネタンホイザ(93年3番人気4着。ダイヤモンドS1着→目黒記念1着)も同様のパターンである。

 理由がなくても負けてしまう、などと書くのは無責任だが、データの表面上はそうだということだ。今年の天皇賞は荒れると思う人にとっては、理由無く「距離実績も近走成績もいい人気馬を切ってしまう」手もアリだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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