データ系の原稿では書き尽くされてきたことだから、次の2点については既に皆さんご承知の通りだろう。
・天皇賞は基本的に人気馬が強いレースである
・しかし、既にG1格を手にしている圧倒的な人気馬がいないケース(スダホークやスルーオダイナやエアダブリンが人気だった年)はすんなりとは決まらない
今年の場合、トーホウシデンが1週前に順調さを欠いたことで、ダイタクバートラムが人気になりそうである(少なくとも現段階で私はそう読んでいる)。パターンとしての2項目目の年にあたるわけだ。
となると、穴を狙う→人気馬が飛ぶことを意識して馬券を買う人が多くなるわけだが、では、過去に人気で飛んだ馬は実際どんなローテを辿っていたのか、おさらいしてみよう。以下は、過去10年の天皇賞・春で1〜2番人気になりながら、4着以下となった馬の前2走である。
・98年シルクジャスティス(1番人気4着)
有馬記念1着→阪神大賞典2着
・96年マヤノトップガン(2番人気5着)
有馬記念1着→阪神大賞典2着
・95年エアダブリン(1番人気5着)
ステイヤーズS1着→ダイヤモンドS1着
・95年インターライナー(2番人気4着)
日経新春杯2着→日経賞1着
表面上、なんの問題も無いのが特徴だ。着順も優秀だし、距離の壁云々ということでもない。ちなみに、スルーオダイナ(89年1番人気3着。ダイヤモンドS1着→阪神大賞典1位失格)やマチカネタンホイザ(93年3番人気4着。ダイヤモンドS1着→目黒記念1着)も同様のパターンである。
理由がなくても負けてしまう、などと書くのは無責任だが、データの表面上はそうだということだ。今年の天皇賞は荒れると思う人にとっては、理由無く「距離実績も近走成績もいい人気馬を切ってしまう」手もアリだろう。