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東京芝コースは変わったか?

  • 2003年05月12日(月) 19時05分
 東京開催も3週が終了した。そろそろ、旧コースと変わった点があるのか無いのか、検証をはじめてもいい頃だろう。

 今週のメイン、京王杯SCは芝1400mのレースだが、このコース得意のはずのサクラバクシンオー産駒が3頭出走して人気以下の着順ばかりだったり(3頭とも人気薄ではあったが)、サンデーサイレンス産駒が1番人気2頭、2番人気1頭を含みつつ(0.0.1.4)だったりと「異変」は起きている。そこで、今回は、既に終了した芝1400m7レースの勝ち馬の父について旧東京芝1400mでの成績を調査し、「以前もこのコース得意だった血統が来ている」のか、「全く違う血統が来ている」のかを確かめてみたい。

 旧コースのデータは93〜02年を対象とする。まず、その間の全馬平均成績を紹介すると、勝率7.3%・連対率14.6%、単勝回収率64%・複勝回収率68%。今回は連対率と複勝回収率を比較の対象とし、平均より上の数値が出ていた場合は○マーク、下回っていた場合は×マークを付記した。(種牡馬名後のカッコ内は今開催当該コース成績)

・カコイーシーズ(1.1.0.0)
連対率11.8%× 複回収率128%○

・ジョリーズヘイロー(1.0.0.1)
連対率0%× 複回収率0%×

・スキャン(1.0.0.1)
連対率15.0%○ 複回収率99%○

・チーフベアハート(1.0.0.2)
新種牡馬のためデータ無し

・トニービン(1.0.0.4)
連対率18.9%○ 複回収率79%○

・マーベラスサンデー(1.0.0.2)
新種牡馬のためデータ無し

・ラストタイクーン(1.0.0.2)
連対率3.6%× 複回収率24%○
※外国産、持込馬は含まず

 なにぷんサンプル数が少ないので「たまたま」に過ぎない結果もあるのかもしれないが、連対率ベースで見ると旧コースと変わっているようにも思う。ただ、世間で言われているように、スタミナ寄りに変わったとは断定しづらい。

 当面の防衛策としては、勝率・連対率ベースで考えるのではなく、回収率ベースで評価することだ。ラストタイクーンもマル外・持込での産駒は高い回収率をマークしていたので、ジョリーズヘイロー以外はそれで説明がつく。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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