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ピースオブワールドは買いか、消しか?

  • 2003年05月19日(月) 19時27分
 オークスはスティルインラブ、アドマイヤグルーヴに加え、急遽参戦が決定したピースオブワールドを加えたSS産駒3頭が検討の対象ということになる。

 この3頭で◎○▲などという予想は予想とは言えないので最低でもどれか1頭を無印にする決断が必要と思われるが、その場合、やはり「最有力候補」となるのは長期休養明けのピースオブワールドだろう。

 ダービーではシルクムーンライトのもみじS2着→ダービー15着(93年)という例があるが、オークスでこのような休み明けは近年見られない。それゆえに、いろいろ理由をつければ「買えてしまう」という面もある。

 しかし、スタミナを要求される局面ほど状態面での完璧さが要求されるというのも事実である。それを裏付けるため、今回は「芝2400m戦におけるレース間隔別成績」(93年以降)を調べてみた。

 ピースオブワールドはほぼ半年ぶりの出走ということになるが、過去10年の間に、半年以上のレース間隔をおいて芝2400mのレースに出走した馬はのべ84頭いる。その総合成績は1勝、2着4回で連対率6.0%。単勝回収率7%・複勝回収率28%と惨憺たる内容だ。

 このデータには半年よりもっと長い休養だった馬も含まれているし、2〜3番人気に推されていた15頭に限れば[1-4-2-8]とさほど悪くない成績でもある。しかし、トータルの数字が悪すぎて、なかなか手を出しづらい。

 芝2400mについては休み明け以外の馬について「叩何戦目だったか」というデータもあるのだが、叩2戦目→3戦目→4戦目と連対率・複勝回収率が上昇しており、この距離では状態面の隙が無いことが要求されているとわかる。

 ピースオブワールドがこの世代を代表するレベルの馬であることは間違いないが、休み明けで距離延長となるここに限っては無印が妥当だろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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