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難しい東京芝コース

  • 2003年05月26日(月) 19時41分
 東京芝コースの買い方がどうにも掴めない。

 いきなりテンションの下がる書き方だが、仮柵が動いたり雨が降ったりやんだりするたびに傾向が変わる印象で、なんとも困る。

 1回東京開催では設定距離よりプラスαのスタミナが要求されるイメージだったが、先週の2回東京開幕週は、ヤマカツリリーが見せ場を作ったり(これについてはペースの影響もあったが)、ロイヤルキャンサーが「距離短縮組」を完封したりと、やはり傾向が変わっていた。

 脚質にしても、「探り合いで単なる上がりの競馬」でスタートした後、「直線差し放題」の時期があり、「なんだかんだで4角好位は必要」の時代へと移っていった。

 ここで悩むのがダービーだ。ダービーポジションは既に死語となり、最後まで我慢をした実力馬が最後に笑う、というのが近年のダービーの傾向である。しかし、少しでもペースが緩むと、結果としてダービーポジション的な概念が復活する可能性はある。

 そこで今回は、「ぼちぼち前にいる馬から重視する組を探すにはどうしたらいいか」ということで、こんな調査をしてみた。

 93年〜今年の1回東京開催における芝2000m以上のレースで、「先行」カテゴリに分類される馬だけを抜き出し、その中でも特に回収率の高いファクターを抽出しようという調査である。

 スペースの都合があるので、結論だけ抜き出すと、

○種牡馬別

 サンデーサイレンスが単108%・複97%と高い。勝率、連対率も高いのでSS全滅は期待しにくい。複穴ならシンボリルドルフ(除外候補だがチキリテイオー)かトウカイテイオー(マイネルソロモン)。

○騎手別

 デムーロはもちろんデータ不足。田中勝は単複とも60%台で高くない。柴田善は出走がほぼ確定という中では唯一の単複プラスで狙い目。蛯名も90%台で悪くない。

 この流れだと、SSで柴田善で好位につけられるリンカーンが浮上する。私は週刊誌等の予想で無印にしてしまったのでいまさら買い目に加えられないが、「先行タイプ買い」とお考えの方は参考にしていただきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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