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先週の出来事から

  • 2013年02月08日(金) 12時00分
 先週の日曜日に行われた安藤勝己騎手の引退セレモニー。私は当日、東京競馬場のテレビモニターでの観戦となりましたが、安藤さんらしい温かみあふれる雰囲気がブラウン管を通しても感じられるものでしたぁ。

 兄であるアンミツさんからの花束贈呈の際には、お互いが視線のやり場に困るほど照れた様子で握手もなし。その素朴さが、より人間味を感じさせホンワカしたムードに。

 地方から中央へという道を造ったアンカツさん。そして兄のアンミツさんもまた地方から中央へと移籍され、美浦から栗東へと所属を変更し、現在は調教助手としての第2の人生を歩んでおられます。

 ご兄弟揃って自分自身の力で前に突き進んでいく姿には、芯の強さやたくましさを感じます。本当にスゴイご兄弟ですね。

 そして凄いと言えば、月曜日に千葉県の旭市で武豊騎手の講演会が行なわれ、その司会を務めさせて頂いたのですが、(やっぱり、武豊騎手って凄いなぁ〜)と、感じることの連続でした。中でも特に胸に響いた言葉が、勝負で負けた際の胸中。

 負けたことは誰よりも自分が一番悔しい。そして何よりも悔しいのは、負けたという事実そのもの以上に、そこに至るまでの自分自身の過程。ベストを尽くしていたか否か? その点を振り返った時に、もっと何かできていたのではないか? と感じた瞬間が一番悔しいと。

 3500勝を成し遂げた際も、「その勝利のほとんどに満足していない」と話されていましたが、それは単なる謙遜で言葉を選んだのではなく、常に自問自答を繰り返し、最善を探る探究心の塊であるからなのだと感じました。

 さて今週は東西でさまざまな重賞レースが行われますが、共同通信杯について一言。

 注目は3頭。メイケイペガスター、ラウンドワールド、マンボネフュー。

 メイケイペガスターにとっては初の輸送競馬となり、その点は当日の馬体重チェックが必要となりそうですが、陣営は、「馬房では大人しいタイプ。その点は心配なさそう」とのこと。折り合いの難しさがある馬ですが、だからこそ横山典弘騎手とのコンビはかなり魅力的。先週のトライアンフマーチもそうでしたが、スンナリと中団あたりで競馬をしてしまいそうなそんな予感も…。

 ラウンドワールドは京成杯でのカラ輸送の影響もなく、また逆にこの中間しっかりと時間をかけることできたのがプラスと働いている様子。鞍上の岩田騎手も、「京成杯の週の追い切りとは動きがまったく違う。凄くいい」と。

 また前走の大敗に関しては、「久々のレースで、馬がレースを忘れてしまっていた」と岩田騎手。この馬にかける思いは特に強く、勝ち負けももちろんですが、今年のクラッシクに向けても重要な一戦となりそうです。

 それではみなさん、当日は競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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