スマートフォン版へ

安田記念を乗り替わりで見ると

  • 2003年06月02日(月) 14時59分
 日本ダービーでは、ミルコ・デムーロが史上初の外国人ダービージョッキーとなった。

 「いたら全部買え」とも言えるデムーロ馬券だが、今週も勝浦騎手からの乗り替わりでテレグノシスに騎乗する予定となっている。

 デムーロの日本での騎乗成績(ダービー週を含まず、前回の短期免許まで)を集計すると、勝率・連対率では乗り替わりよりも前走からの継続騎乗の方が高い。

(勝率 連対率)
継続騎乗 17.7% 36.2%
乗替り 16.7% 30.1%

 しかし、これが回収率となると話は逆転してくる。

(単勝回収率 複勝回収率)
継続騎乗 77% 85%
乗替り 118% 97%

 テレグノシスは前走を勝ってしまったために「おいしい馬券」というようなオッズにはならないだろうが、今回はローエングリンがかなり票を吸収するだけに、単勝や馬単1着付けは高い期待値になる可能性がある。

 ちなみに勝浦→デムーロという乗り替わりは集計期間内に2例ある。

01年2月4日小倉500万下
チアズアンビシャス 1番人気1着

01年2月10日京都すばるS
ノボジャック 3番人気1着

 これはもう買うしかないでしょうなあ…。ちなみに、月曜時点で想定されている他の乗り替わりについてはこんな感じ(集計期間は98年以降オークス週まで)。

・キスミーテンダーの藤田→本田
 新潟大賞典では良かったが、トータルではいまひとつ(単95%・複53%)

・ダンツフレームの本田→藤田
 単11%・複60%。連対率22.7%で藤田のトータル23.4%に及ばない。イメージほど鞍上強化ではない。

・ミレニアムバイオの小牧→福永
 単65%・複89%で単純に買える数値ではないが、福永は吉田稔、川原、岩田など他の腕利き地方騎手からの乗り替わり回収率が良い。人気落ちするようなら買い目には入れたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング