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挑戦の意義と難しさ

  • 2013年02月22日(金) 12時00分
 芝からダートへ、注目を集めたカレンブラックヒルが1番人気に推奨された先週のフェブラリーS。終わってみれば、これまでの歴史が物語るような惨敗という結果に…。

 レース後の秋山騎手のコメントでは、ダート云々と言うよりも、スタートでのアクシデントによりリズムを崩してしまったことが大きな敗因と思うとのこと。確かにスタート直後の芝の部分までの走りが、明らかにこれまでと違っていた点から、ダート云々ということ以上に、本来の走りができなかったようにも…。そして改めてスタートの大切さや、自分の枠の近くにどのような馬がいるのか? その運は、かなり重要なことだと感じました。

 また体付きに関しても毎日王冠以上とは言え、天皇賞・秋の時ようなトモのボリューム感はなく、やはりダートの第一線で戦ってきたメンバーに入ってのGIは、そうそう甘いものではないと痛感…本命にした私自身も反省するとともに学ぶことの多い結果となりました。

 一方、勝利したグレープブランデーですが、見事なまでの走り。帰厩まもないジャパンCダートでの5着という結果と内容に今年の大ブレイクを予感してはいましたが、心身ともに骨折から解き放たれる素晴しい内容。

 マイルの心配、そして輸送の課題も完全にクリアしての今回の走り。小倉で浜中騎手が勝利した時は、勝ったといえども馬自身の気持ちが後ろ向きで、まだまだ骨折の後遺症をひきずっていた感じでした。

 馬というのは、いったんそうなってしまうと中々メンタルの面で昔のような気持ちになることは難しく、能力が発揮できずに終わってしまうことも…。それを考えると今回の走りは、馬自身の精神力の強さもそうですが、それをサポートし促した陣営の手腕あってこそのもの。

 素晴しいなぁ〜と感動するとともに、こういった苦しみを乗り越えた馬の強さは本物。残念なことにレース後、全治3か月の骨折が判明しましたが、陣営にうかがうと、症状は軽いもので、さほど心配するほどのものでないとのこと。今後のさらなる活躍、十二分に期待していいでしょう。

 さて今週もその安田隆行厩舎から注目の馬が出走となります。阪急杯、ロードカナロア。

 今回初の海外帰りとなりますが、「すこぶる順調」と、陣営&岩田騎手。もともと戦歴、年齢、体の成長を考えても、こんからますます良くなる余地を残していた馬。検疫や輸送も無事にクリアし、状態は本当に良さそう。期待します。

 相手には、もう少し外枠がほしかったですが、マジンプロスパーとブライトラインに。

それでは皆さん、ステキな週末をお過ごし下さい。ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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