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新東京芝1800mで好調のBT産駒

  • 2003年06月09日(月) 20時34分
 1800m戦の予想をする時に「今回距離延長」「今回距離短縮」の両パターンを比較すると、距離短縮の方が勝率・連対率・単複回収率などの指標で勝ることが多い。

 東京芝1800mももともとそういう傾向があるし、新コースになって以降の18レースを分析しても、距離短縮馬が優位という傾向が出ている。

 しかし、ことエプソムCに関しては反対の傾向が出ている。

 ハンデ戦であった95年までは圧倒的に距離短縮馬が強く、93〜95年は6頭の連対馬全てが前走2000m以上を使われていた馬であった(全体に占める前走2000m以上馬の割合が高かったせいもあるが)。

 しかし、別定戦となった96年にはマーベラスサンデーが「前走も1800m」で勝利し、97年以降の6年間では距離延長の馬が連対馬12頭中7頭(前走ダートを含む)と過半数を占めるようになった。

 コースそのものの傾向とレースの傾向、どちらを取るべきか悩んだが、悩んだ結果、レースの傾向+種牡馬面でのアドバンテージを考慮して距離延長組のトレジャー(父ブライアンズタイム)を中心に考えることとした。

 ブライアンズタイム産駒はもともと東京芝1800mが不得意ではなかったものの、人気馬でしか1着を取れず、1番人気の単複回収率が100%を超える一方で、総合は単28%・複88%という極端な成績になっていた。

 ところが新コースになった後、ダービー前日の最終レースでユノブラウニーが単勝万馬券を出し、いままでの傾向とは正反対の優勝例を樹立。その他も含めると全7走のうち、13番人気1着・5番人気2着・10番人気2着・2番人気3着・4番人気3着と5頭が馬券に絡み、好調ぶりを見せつけている。

 トニービン産駒やサンデーサイレンス産駒も好成績をあげているのだが、「新コースになって特によし」という点で、ブライアンズタイム産駒・トレジャーを重視したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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