新中京コースは好材料
「中京競馬場の馬場が改装されて、直線に坂ができたことで、以前に比べて間違いなくこの馬向きになりましたね」
と、吉田は以前の中京コースよりも、断然手応えを感じているようだ。
「この馬の場合、秘策というより、自分の競馬に徹するしかないですからね。僕はベストを尽くすだけです。あとはペースが速くなってくれれば良いですね。逃げ馬が1頭だけというより、2頭でやり合ってほしいです。その方が全体のペースが上がりますから」
自分から動くわけにはいかない。サンカルロの差し脚が生きる展開を願って、自分の競馬に徹する。サンカルロと吉田に、特別な作戦があるわけではない。あるのは、馬と自分を信じる、揺るぎない心だ。
吉田が所属する大久保洋吉厩舎の管理馬ということもあり、サンカルロとは2歳時からの長い付き合いとなる。NHKマイルC降着という苦い思い出もあるが、デビュー以来ここまで37戦、ただ一度を除いて、サンカルロの手綱は吉田が取り続けている。
「たくさん重賞を勝たせてもらいましたし、思い入れはありますね。最初の頃は