2歳時から、第一線で息の長い活躍を続けるサンカルロ。年が明けて7歳となった同馬について「まだ衰えは感じていない」と主戦・吉田豊騎手は断言した。阪神Cを2連覇など、これまで重賞4勝を挙げているものの、今年4度目の挑戦となる高松宮記念は2年連続の2着など、GI制覇にはまだ手が届いていない。それだけに、吉田豊騎手をはじめ、陣営にとって、GI制覇は悲願と言っても過言ではないだろう。
日本馬が勝つのは難しいとされていた香港スプリントを制した絶対王者・ロードカナロアにどう立ち向かうのか。果たしてサンカルロに勝算はあるのか。吉田豊騎手に、高松宮記念に向けての意気込み、サンカルロヘの思い、定年まで残り2年となった師匠・大久保洋吉調教師について、じっくりと語ってもらった。(取材・文:佐々木祥恵)
サンカルロ主戦・吉田豊騎手
阪神C連覇のサンカルロ
昨年暮れ、サンカルロは阪神Cに優勝した。一昨年に続き、同レース2連覇だった。一昨年の阪急杯も制してる上、中京競馬場の改装工事のために阪神競馬場で行われた高松宮記念でも2着となり、阪神巧者というイメージが強い。しかし、阪神競馬場で重賞を勝つ理由は他にもあった。
「阪神コースでなぜ走るのかは、僕も理由がよくわかりませんけど、阪神Cや阪急杯が行われる冬の寒い時期がこの馬には合っているのだと思います」と吉田は分析した。
「暑さに弱い馬ですので、夏の名残りのあるスプリンターズSの時期はまだ調子が上がって来ない感じですからね」
過去の成績を調べてみると、デビュー以来夏場は1度も使われていなかった。同じ1200mでも、スプリンターズSより高松宮記念で良績を残しているのは、季節的な理由が大きいようた。
2歳のデビュー時から7歳の現在まで、コンスタントに息の長い活躍を続けるサンカルロは、これまでは夏以外に長期に渡る休養がない。
「先ほども言った通り夏場は弱いですけど