朝日杯FSでは7番人気の低評価ながら、本命・コディーノを退け、2歳チャンピオンの座についたロゴタイプ。明け3歳となった同馬は、皐月賞トライアルのスプリングSから始動し、直線では力強いフットワークで後続を寄せ付けない横綱相撲で貫禄を見せつけた。管理する田中剛調教師に同馬の強さの秘密や、関東の大将格として、皐月賞に向かう胸中を語ってもらった。(取材・文:佐々木祥恵)
皐月賞制覇へ、田中剛調教師
田中剛師が、ロゴタイプを初めて牧場で見たのは1歳の時だった。
「社台Fで見せていただいたのですが、当時から余計なことはしなかったですし、黒光りして良い馬でした。サンデー肌で素晴らしい血統でしたから、いきなりこんなに良い馬を預からせてもらってもいいのかなと…。ですから無事に出走させることが、第一目標でしたね」
素質豊かな黒光りする馬体を持つ若駒の育成は順調に進み、2歳となったロゴタイプは、牧場から直接函館競馬場に入厩する。
「村田一誠騎手が函館にいましたので、ゲート試験も追い切りも乗ってもらいました。本当に手がかからず無駄なことをしない馬でしたから、調教が終わってご飯を食べたら、すぐに寝ていました(笑)。ゲート試験にもすぐに合格しましたよ」
成長期にはよく寝ると言われる。無駄な動きをせずに、必要なことだけをするというクレバーさが、ロゴタイプの強さの秘密と言えそうだ。
迎えたデビュー戦は、1回函館最終日の6月24日、芝1200mだった。
「一誠は勝てると言っていたのですが