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デムーロ兄弟、そして皐月賞

  • 2013年04月12日(金) 12時00分
 終わってみればデムーロ兄弟のワンツーフィニッシュとなった先週の桜花賞。歳の離れた兄弟ということもあり、小さい頃から兄のミルコに憧れて騎手を目指したクリスチャンにとって、G1の舞台で、しかもその兄との接戦を制して勝利には、非常に大きな喜びを感じている様子でした。

 また昨年は騎乗を予定していたハナズゴールが出走を回避。今回は逆に騎乗馬がいなかったところ、土曜日の福島での丸山騎手の落馬で急遽チャンスが巡ってくることに…。

 丸山騎手にとっては本当に辛い出来事となってしまいましたが、クリスチャンの1年前を思い起すと、なんだか不思議な流れを感じますし、そのチャンスを見事に活かして掴んだ勝利なのですから、お見事の一言。しかも桜花賞時の阪神競馬場の馬場状態と風の流れを考えると、クリスチャンが選択していたポジションは理想的だったようにも…。

 スタートから最初のコーナーまでが追い風、続いて3コーナーから4コーナーにかけての場所がかなり強い横風をくらう形となり、そして直線は向かい風に。

 特に馬は横風に最も影響するところがあり、インコース側を通るとモロに風を受けてしまう状況に。

 勝利したアユサンをスタートから振り返ってみると、スタート後は先行馬たちにつられないように折り合いに専念をし、続く道中は馬群の中で我慢、そして直線はロスのない形で馬場の良い所を抜け出す内容。初騎乗とは思えないほどの完璧な騎乗振りだったように感じますし、もともと体質的に弱く前捌きなどは、かなり硬さのある馬。陣営の日頃のケアと共に、当日のクッションのきいた馬場もプラスに働いたように感じます。また手塚師と厩務員さんが、「今まででは考えられないほど、今回は順調に調整が進んだことはなかった」と話していましたが、やはりG1を勝利する時と言うのは、言葉や理屈ではあらわせられない、何かに導かれるような流れがあるような気がします…。

 さぁそして今週はオトコ馬の戦いとなる皐月賞。難しい…。コパノリチャードなどハナや先行を主張する馬の存在も多数いることもあり、ジョッキーたちも口を揃えて、「ペースはあまり遅くならないと思うので…」と話しているものの、遅くなるだろうと思っていると逆に流れ、速くなるだろうなぁ〜と話している時ほどスローになりがちなことも…。これは直前まで悩みそうですし、愛馬を出走させる陣営にとっても、「ほんとに何が勝つのか?今年の皐月賞だけは分からない」と、自分の馬にもチャンスはあるとよみつつも、流れ次第で勝ち馬が変わる確率の方が高そう。そう考えると展開に左右されない馬を軸とするのが1番良さそうということになり、自在性のある2才王者ロゴタイプということになるのでしょうか…? ん〜でもカミノタサハラやインパラトールの追いきりがとても良かったし、前哨戦の内容からコディーノも魅力的。正直まだまだ迷いそうです。さて当日ですが、レース終了後にはファンと騎手との集いもありますよ。
是非とも競馬場でお逢いしましょう。

 ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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