ともすれば、諸刃の剣となりそうなスピードを、厩舎とジョッキーが一丸となってコントロールし、3つの重賞を勝つまでに昇華させた。朝日杯という残念な敗戦はあったものの、シンザン記念とニュージーランドTの勝利で、西園の自信はより強いものになっている。
「この馬ほどやりやすい馬はいない」
「阪神、中京、東京、京都、中山と勝って、結果的に中央は全場制覇しているんですよ。3歳春の時点で、これはめずらしいでしょ? しかも、輸送も問題ないし、土砂降りでも勝ってくれた。普段の様子を含めて、この馬ほどやりやすい馬はいませんよ」
520キロ以上ある大型馬にして、レースで見せるあの気性──。さらに、スピードのコントロールに苦心したという話を聞いたあとだけに、“やりやすい”とは、ちょっと意外な気がしたのだが。
「普段は本当に穏やかな馬なんですよ。触ってもらえばわかると思いますけど、何をしても知らん顔(笑)