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天皇賞の結果を受けて

  • 2013年05月03日(金) 12時00分
 ゴールドシップの大敗で終わった今年の春の天皇賞。

 ゴールドシップを本命に挙げ、ゴールドシップからの馬券を購入していましたが、私自身のレース後の率直な感想は、ガチな競馬で面白かったですし、3200mでこういった競馬もあるのだなぁ〜と改めて競馬の奥深さと言うか、心理的な面が大きく左右するものだと感じました。

 このレースは、誰もがゴールドシップの強さと距離適性を疑わず、まさに1強ムードでした。しかしながら2段階のギアが使える強みを持っている一方で、スタート後に進んでいかない個性的な馬。それゆえ対戦する多くの騎手の考えは、(ゴールドシップが一段階目のギアを使う時点で、どれだけ自分がリードできているか?)ということでした。

 そしてその考えがそのままストレートにあらわれたかのような3200m戦とは思えない終始流れた速すぎるレース展開となり、追いかけるゴールドシップにとっては、これまでとは違う状況となってしまいました。

 それゆえ息の入るところもなく、4コーナーではジャガーメイルの方が手応えよく被される形に…。しかしその後の直線でもう一度差し返しているのだから、やはり強いのは強い。

 しかし今回に限っては、対ゴールドシップへと戦いに挑んだ17頭の策略と共に、内目も良い高速馬場も加わり、ゴールドシップにおいては大変厳しい状況設定となってしまったのでしょう。

 そんな中、レースの流れにのっての道中の立ち回りを見せたのがフェノーメノの蛯名騎手。その前日の土曜日の青葉賞もそうでしたが、絶好のポジションでレースを進めており、熟年の技量というか、狙ったレースにおける蛯名騎手の執念の騎乗振りが伝わる内容でした。

 アパパネの時の3冠がかかった秋華賞やヴィクトリアマイルでのブエナビスタとの1戦もそうでしたが、「決める時は決める」蛯名騎手のレース振りは本当にカッコイイですよね。シビレマシタ。

 また終わってみれば競馬学校3期性である蛯名騎手&武豊騎手のワンツーフィニッシュに。年明けから勢いを増している外国人騎手や地方出身騎手の流れをストップさせるのは、「僕ら3期性」とでも言っているかのような騎乗内容と結果にも感じるものでしたぁ。

 やはり競馬は、最終的には騎手の騎乗内容が非常に重要となってくるもの。そういって意味でも全ての騎手が様々な状況に奮起し、ベストを尽くす内容というのは面白みがあります。

 この流れを受けると今週から東京競馬場で続く5週連続G1は、いいレースが期待されそうで楽しみです。

 その先陣となるNHKマイル、取材を通して具合の良さを感じたのがエーシントップとレッドアリオンでした。それでは週末は是非とも東京競馬場でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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