アユサン&レッドオーヴァルの桜花賞上位組に、フローラSを勝ったデニムアンドルビーあたりが人気を集めそうな今年のオークス。一気の距離延長に、人気馬の真価は。また、ここで巻き返しを狙いたい穴馬とは。血統評論家・栗山求氏が、血統からオークスを読み解きます。
オークス出走馬の血統を検討する前に一点だけ押さえておきたいのは、「3歳春の時点においては距離適性よりも器の大きさが優越する」という事実だ。
06年暮れに阪神競馬場がコース改修してから、桜花賞とオークスの成績がより深くリンクするようになった。これはつまり、個別の馬に備わっている距離適性よりも、器の大きさのほうが信用できる、という事実を示している。桜花賞で強い競馬をした馬であれば多少距離が不安でもオークスで勝ち負けになるのだ。
桜花賞、アユサン(左)とレッドオーヴァル(右)
3歳牝馬の2400m戦だけに、中盤でラップがゆるみやすく、ラストの決め手勝負になれば強い馬が勝つのは当然だ。とはいえ、スプリンターに近いマイラーが2400mをこなすのは難しく、引っ掛かり癖があったり極端な競馬しかできない馬は買いづらい。このあたりは常識的に判断していきたい