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喜びと悲しみ、そして今週

  • 2013年05月17日(金) 12時00分
 先週のヴィクトリアマイル、レース後から今に至るまで複雑な気持ちでしたぁ。

 まず勝ったヴィルシーナですが、これまでG1での4回の2着。悔しい思いをしてきただけに、本当に良かったなぁと心から祝福の思いとなりました。またこの馬は普段の大人しくとても品のある女の仔でありながら、レースでは対照的とも言える勝負根性強さ。今回のゴール前も、勢いでは明らかにホエールキャプチャの方が優勢に思えましたが、もうひと踏ん張りを見せての内容。

 レース回顧の際、内田騎手も、「この馬に騎乗していると、彼女のがんばりすぎるくらいの走りに、それ以上要求することなどできなくなる」と話されていましたが、どんな時も最後まで諦めない姿勢には本当に頭が下がる思い。本当にステキな女性です。

 さてその一方でフミノイマージンが…。本当に悲しくて、心が重い日々となりました。

 今こうして彼女のことを書いているとまた涙がでてしまいます…。競走馬はアスリートゆえ、皆、体のどこかに負担を抱えながら戦っています。フミノイマージンは右前でしたが、レースになるとキッチリと体は仕上げてくるタイプ。また根っからの気も強いゆえ、本番では見せない気丈な仔。その彼女が消えてしまうなんて…。

 年齢的に考えても、ひょっとしたら今頃お母さんになっていたかもしれないのに…と考えると、よけいに切なくなってしまいます。しかしながら1番辛いのは、彼女の走りを心から楽しまれていたオーナーであり、管理された本田調教師、そして1番長い時間をともにした中井助手だと感じます。陣営の思いを考えると、本当に切なく心が重いです…。

 今週はオークスとなりますが、とにかく全馬無事に帰ってきてほしいものです。注目馬ですが、良化途中だった桜花賞時からさらによくなっているレッドオーヴァルとフローラSの勝ち方が強かったデニムアンドルビー、体がフックラしてきたトーセンソレイユ、桜花賞馬アユサン、エバーブロッサム、セレブリティモデルまで。

それでは皆さん、週末は東京競馬場でお逢いしましょう。レース終了後には、パドックにて勝利騎手を招いてのレース回顧も行なっておりますので、是非とも足をお運び頂ければと思います。ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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