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北九州記念など追い切り診断

  • 2013年08月15日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜小倉11R・北九州記念(GIII)
・サドンストーム
 前走CBC賞は自分の競馬に徹して3着。終いの伸びは確かだっただけに、ひと頃の成績不振からは、完全に脱却している。前走後はヒルサイドステーブルに放牧に出されており、帰厩後も順調に追い切りを重ねている。最終追い切りは国分優作騎手が跨って、坂路で単走追い。ベスト時計は4F50.1秒なので、今回の4F50.9秒は驚くほどの数字ではないが、ラスト1F12.0秒というのが優秀。ただ、もたれ気味に走ったこともあり、数字ほど印象は良くない走り。前走時はさほどもたれていなかったことを考えると、額面通りの評価というわけにはいかない。

・バーバラ
 前走は降級戦の佐世保Sを力の違いで完勝。その後、アップヒル(吉澤ステーブルWEST内)に放牧に出されており、8月8日に栗東へ帰厩。在厩10日での競馬になるが、調教量としては、15-15を数多くこなしており、少ない印象はない。ただ、在厩日数が少ないこともあり、実質的な追い切りは15日の坂路での4F54.0秒。決して時計は悪くないし、終いの動きもしっかりしている。ただ、これまでは1週前追い切りでしっかり負荷を掛けて、好結果を残していた馬だけに、そのあたりの調整の違いがレース結果にどのように影響してくるかというところだろう。

・マイネルエテルネル
 前走バーデンバーデンCは中団から進めて、直線では前を射程圏に入れるレースぶり。小倉2歳S以来の勝利だったが、夏場になると調子を上げるタイプであることは間違いない。中4週の今回は、実質2本の追い切り。ローテーションを考えると、本数が少ない印象があるものの、前走時も追い切り本数は少なかったので、それは問題ないだろう。坂路での最終追い切りは目一杯に追われて、4F51.3秒。ラスト2Fも24.0〜12.1秒と優秀。前走時の最終追い切りも単走だったので、気にすることはないだろうが、ちなみに小倉2歳S時は最終追い切りで併せ馬を行って、先着していた。

・ツルマルレオン
 前走バーデンバーデンCは本来、使いたかったCBC賞を使えず、予定をスライドさせて出走したレース。そんなこともあり、中間の調教内容が、少しちぐはぐになっている部分があった。レースでも4コーナー、直線と終始狭いスペースに閉じ込められる形で実力を発揮できなかった。しかし、あまり競馬しなかったことが好転したのか、この中間は気配抜群。坂路での最終追い切りも併せた相手エリモフェアリーが止まって見える、走りっぷりで、時計、動きともに前走以上。後方からレースを進めるだけに、直線の捌きひとつで着順が大きく変わるだろうが、状態に関しては文句ない。

◆日曜新潟11R・NST賞(OP)
・ダッシャーワン
 初めてのオープン特別への出走となった前走京葉Sはレースの流れに乗れないまま、見せ場もなく12着。その後はリフレッシュ放牧に出されて、7月18日にグリーンウッドから帰厩している。7月下旬から時計を出し始めて、調教本数は十分。1週前となる、8月7日には坂路4F51.3秒と速い時計をマークしており、最終追い切りは4F55.0秒と軽め。ラスト1F12.2秒の伸びはさすがといった感じ。気になる点は目一杯に追われていないこと、単走だったこと。5走前に休養明けで1着という実績があるが、当時は最終追い切りを一杯追いで併せ馬を行っていた。今は夏場だけに、そこまでハードな追い切りは必要ないかも知れないが、そのあたりは休養明けの好走時とパターンが違う。

【美浦トラックマン情報】
◆土曜新潟8R・新潟ジャンプS(J・GIII)
・セイエイ
 3か月ぶりの実戦となった前走は、プラス6キロと数字どおりに太めな馬体。しかも、62キロを背負っていたため、道中の行きっぷりがもうひとつ。それでも後半はしっかりと脚を使って、5着まで押し上げたのだから、中身の濃い内容としていい。もともとが叩き良化型らしく、直前の稽古では大外を回ってもしっかり伸びたように(67秒7〜52秒6〜39秒2=強めに)、まさに体調一変。2キロ減なら見せ場以上の期待が持てる。2走前の中山グランドジャンプでも、最後の障害でミスをしなければ、馬券圏内はあったと思える内容。大幅に力をつけていることは間違いなく、穴と狙って面白い。

◆日曜新潟11R・NST賞(OP)
・アドバンスウェイ
 3か月半ぶりで挑んだ前走の大沼S。押してハナを切り前半はマイペースに持ち込んだが、3角で勝ち馬が動くと他の馬も一斉に動き厳しい展開。揉まれたり被せられるとモロい馬でシンガリ大敗も気にすることはない。今回は前走時と違いハードな日程で強い稽古を消化し、直前も意欲的に追われ5F65秒3〜上がり38秒1の好時計をマーク。追っての鋭さはないが、まったくフォームは崩れることはなく前走とは中身が違う。昨年の夏、新潟1200ダートのBSN賞を快勝。57キロのトップハンデで人気にならず狙い目。

・デュアルスウォード
 休み明けになった前走は、久々の芝挑戦。出足が悪いだけに、千メートルでは入着がやっとだったが、終いの伸びは目立っていた。その反動もなく、今週は終い目一杯追って力強い伸び脚。ひと叩きで型通りの良化を見せている。昨年の新潟千二ダートは7着に終わっているが、大外を回らされて0.6秒差なら内容十分。小回りといっても、今回は前半が速くなりそうなメンバー構成。この馬の出番がありそうだ。

◆日曜新潟10R・豊栄特別(1000万下)
・スズノネイロ
 デビュー戦はメンバー中最速の上がり3F33秒3の瞬発力で圧勝。続く中京のつわぶき賞も馬群を割って、2着のウォータープリプリに2馬身差をつけての完勝劇。そして年明け初戦のフェアリーSに挑んだが、レース中の骨折から9着に敗退。これで桜花賞の夢は断たれたが、その後ジックリ再調整され、7か月ぶりとなる今回は9分以上仕上がっての挑戦。7月に美浦に戻ってから追い切り本数は計4本だが、1週前に古馬OP・スズジュピターとハードな併せ馬を消化後は一気に気合も上向いてきた。14日の最終追い切りは単走で抑えた内容・時計で、5F70秒6〜3F40秒7〜1F13秒5だったが、スピード感十分の動きから太め感は皆無。10キロ程の馬体増があっても、それは成長分で特に心配なし。52キロの恵量、瞬発力が生きる馬場で器の違いを見せつけるはず。

◆日曜新潟9R・月岡温泉特別(500万下)
・ダイワフェリス
 久々の前走は、仕上げ直した関係もあって、強い稽古が少し不足。さらに、前半の位置取りが悪く、結果的には流れ込む形になってしまったのが直接の敗因としていい。それでも、上がり3ハロン33秒8の脚を使って、勝ち馬からはコンマ4秒差の7着。もちろん力負けではなかった。強敵相手に500万戦を鮮やかに勝ち上がったほどで、陣営としては「1000万クラスでも」と期待の大きかった実力馬。クラスが下がれば、いつでも勝ち負けは可能だろう。直前は格下相手に、力強い稽古を消化して万全の態勢。叩き2戦目で大きく変わる。

・トーセンターキー
 この暑い時期でも体重を増やしているように、期待の素質馬が成長期に入ってきた。今週はウッドチップで87秒4-71秒4-41秒6。ラスト1ハロンを14秒台で流したため、遅い時計になったが、長めから最後まで力強い走りを披露。黒光りさせた体は、はち切れんばかりで、絶好調をアピールしている。瞬発力自慢の馬が集まる外回りコースでは、厳しい先行策だが、それでも前走は2着を確保。昇級初戦とすれば十分すぎる好内容。状態面の上積みもあり、今回は負けられない一戦になる。

◆土曜新潟11R・佐渡S(1600万下)
・ダイワズーム
 今回も前走快勝時と同様レース間隔をタップリとって、中間は入念な調整過程。1週前追いの7日に格下マイネルディーンを1秒2追走から、G前軽く仕掛けて併入。4F51秒8〜3F38秒1〜1F12秒6の時計も優秀で、この追い切り後はグーンと気合も乗ってさらに上積みが見込める程のデキ。そして14日の最終追いは3頭併せの真ん中で抜群の手応え。4F50秒9〜3F37秒5〜1F12秒6と、再度好タイムをマークしてキッチリ仕上がってきた。緩急どちらのペースにも対応できる自在脚質は新潟外回り2000Mがドン・ピシャの条件。夏場に強い牝馬・一瞬の決め手有利の馬場状態も味方に連勝のチャンス。

◆土曜新潟10R・阿賀野川特別(1000万下)
・ラスヴェンチュラス
 内めを回ったとはいえ、余裕の手応えで素軽い伸び脚。細化した感は全くなく馬体を維持しているし、気合のりも良好。状態面の不安はなさそうだ。元々1000万の特別で好勝負をしていた馬だし、昨秋のローズSでは、ジェンティルドンナと0.3秒差の3着。このクラスでは決め手が一枚上と思えるし、新潟コースは3戦2勝と、最も得意にしているコース。間違いなく好勝負できる。

◆土曜新潟9R・両津湾特別(500万下)
・モルダバイト
 7か月ぶりになる前走は、後続を離す一方の5馬身差の圧勝劇。勝った後の反動は全くなく、一度使われての上積みを十分に見せている。今週はウッドチップを単走馬なりで69秒7-39秒3をマーク。この馬、稽古では全く動かないタイプだけに、直線追われまくっていた前走時とは一変の内容。脚さばきに鋭さが加わり、気合のりも変わってきた。520キロを超える大型馬だが、二の脚が速く、すんなり先手を取れるのは強力な武器。春の対戦比較からも500万クラスが壁になる馬ではなく、昇級戦でも勝ち負けの競馬になる。

・デュアルサクセス
 前走の500万下。2か月半のリフレッシュ放牧明けだったが、直前の調教でもカリカリして精神面で本物とはいえなかった。そのうえ最近では走ったことのない1200M戦。それで0.6秒差の6着は内容としては上々。今回の追い切りは長めから精力的に追われ6F83秒0〜上がり38秒9を終い目一杯追って計時。ウッドコースでこれだけハードな調教は過去になく、スタミナ強化と精神面を鍛えての出走。末の甘さに課題を残す馬。変わり身期待。

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