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ベリアーニ牝系の好配合馬サタンズクラウン

  • 2013年08月21日(水) 12時00分
●アガペー(牝 栗東・飯田雄三 父シンボリクリスエス、母スクエアアウェイ)
 毎日王冠(GII)とスプリングS(GII)を勝ったアリゼオの全妹。3代母シャダイチャッターは小倉記念(GIII)の勝ち馬で、その一族は社台から日高に出されたあとも発展している。2代母スケアヘッドラインはスマートギア(12年中日新聞杯-GIII)、ワンモアチャッター(05年朝日チャレンジC-GIII)、インターサクセス(02年アイビスサマーダッシュ-GIII・4着)などを産んだ名繁殖牝馬。孫の代からは前出のアリゼオのほかに、クラウンレガーロ(12年デイリー杯2歳S-GII・2着)を出している。母スクエアアウェイはアリゼオを産んだあと、その父シンボリクリスエスと交配して誕生した全姉アリエッタを含めて産駒成績はもうひとつだが、確率的にもうそろそろ長打が出てもおかしくない。芝1600〜2000mに向いたタイプ。

●オメガハートロック(牝 美浦・堀宣行 父ネオユニヴァース、母オメガアイランド)
 オメガハートランド(父アグネスタキオン/12年フラワーC-GIII)、オメガスカイツリー(父ゼンノロブロイ/11年ユニコーンS-GIII・5着)、オメガブルーハワイ(父フジキセキ/1000万下)の4分の3妹。母オメガアイランドは名馬ハーツクライの半妹にあたる良血で、上記のようにこれまでに産んだ3頭がすべて外れなく走っているので、本馬も上級クラス以上の出世が見込める。ただ、オメガハートランドが勝ったフラワーC(GIII)は重馬場で、オメガスカイツリーはダート馬。母の父エルコンドルパサーの重さが前面に出ている感は否めない。本馬の父ネオユニヴァースもさほど素軽いタイプではないが、うまく素軽さが引き出されるようなら期待できそうだ。

●クインズハリジャン(牡 栗東・白井寿昭 父スペシャルウィーク、母ベストブート)
 サンデーサイレンスはStorm Catとの相性がもうひとつだったが、息子たちは案外そうでもなく、ディープインパクトやマンハッタンカフェなどはニックスとして認知されている。「サンデーの息子+Storm Cat」の成功例の草分け的存在はスペシャルウィーク。この組み合わせからファイアーフロート、オースミダイドウ、タガノエリザベート、ラナンキュラス、ダイレクトキャッチ、ダンツクインビー、モズといった良駒が出ている。全兄モズは札幌2歳S(GIII)2着馬。早熟タイプかと思いきや、古馬になってからも先行力を活かしてしぶとく頑張っている。潜在能力の高さに期待したい。

●サタンズクラウン(牡 美浦・久保田貴士 父ダイワメジャー、母オリーブクラウン)
 毎日杯(GIII)4着馬ブラックオリーブ(父スペシャルウィーク)の4分の3弟。母オリーブクラウンはオークス(GI)3着という成績がある。2代母ベリアーニを起点とする牝系は昨今活躍ぶりが目立ち、ロゴタイプ(13年皐月賞-GI、12年朝日杯フューチュリティS-GI)、パドトロワ(12年キーンランドC-GIII、12年アイビスサマーダッシュ-GIII、13年函館スプリントS-GIII)、サクラディソール(13年アネモネS-OP・3着)などが出ている。本馬の父はダイワメジャーなので、サクラディソールとは父とファミリーが同じ。競走馬としても似たようなマイラーだろう。ダイワメジャーはRoyal ChargerとMahmoudを併せ持つ血と相性がよく、最良のニックス血脈であるDroneもこの形。Droneだけでなく、これと似た構成の血とも相性がよく、Nasrullah(≒Royal Charger)とMahmoudを近い世代に持つボールドラッドはそのひとつ。ダイワメジャーとボールドラッドを併せ持つ馬にはエピセアロームとオリービンがいる。本馬の3代母の父What a Pleasureはボールドラッドと4分の3同血。したがって成功パターンに当てはまる。母オリーブクラウンにとってブラックオリーブ以来久々に重賞戦線で活躍できる産駒となるのではないか。

●ベッラレジーナ(牝 栗東・平田修 父ネオユニヴァース、母ベッラレイア)
 母ベッラレイアはフローラS(GII)を制したほか、オークス(GI)2着、エリザベス女王杯(GI)3着、秋華賞(GI)4着と、GI戦線でも上位を争った実力馬だった。わずか3世代を残して早世したナリタトップロードの唯一の重賞勝ち馬でもある。ナリタトップロードといえばサッカーボーイ産駒のステイヤーで、好位追走からの堅実な末脚が持ち味だったが、ベッラレイアは切れ味に秀でた馬で、これはゴールデンフェザント(91年ジャパンC-GI)を産んだPerfect Pigeonのファミリーに属することによるものかもしれない。「ネオユニヴァース×ナリタトップロード」の組み合わせだけを見ると鈍重な印象を受けるが、母ベッラレイアの切れ味が伝わるようなら楽しみが広がる。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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