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勢司和浩調教師/菊花賞Part2『菊への扉を馬自身が開いた』

  • 2013年10月17日(木) 12時00分
◆劇的勝利のセントライト記念
 初勝利は5月12日。デビュー戦と同じ東京の芝1800mで、鞍上は北村宏騎手にスイッチされた。

「北村騎手には、中間の調教でも乗ってもらっていて、性格もほぼ把握してもらっていましたし、ちょうど彼が乗れるというタイミングが巡ってきました。大型馬でトモが緩く、気持ちに体が付いていかなくて、スタートダッシュこそ良くなかったですが、あのレースは強い勝ち方でした。内容的にも完勝で、良い競馬ができたと思っています。デビューから3戦は松岡騎手が、その後は北村騎手が乗ってくれていますが、この子に1つ1つ競馬を教えてくれたおかげでここまで来られましたから、彼らには本当に感謝しています」

 3歳5月の未勝利戦を勝った後は、6月23日の八丈島特別(3歳以上500万下)で2着。その後は間隔を開けて、9月1日に新潟競馬場で500万条件(芝1800m)を1番人気に見事に応えて勝ち上がり、セントライト記念に駒を進めることとなる。

「(セントライト記念は)中1週でしたし、古馬になってから本当に強くなる馬だと思っていましたので、使うかどうか迷いましたが、この子自体がクリアしてくれて状態も良かったので、出走させました。台風で1日レースが延びましたが、精神力の強いこの子には全く影響がなかったですよ」

 しかし、直線で馬群に包まれる厳しいレースとなった。

「あの時は絶対に負けたと思いましたから。あの脚は普通では考えられないですよ。あそこから抜けてきたのは、やはりこの子の強さでしょうね」

直線馬群を抜けだしてセントライト記念を勝利したユールシンギング

直線馬群を抜けだしてセントライト記念を勝利したユールシンギング


◆菊花賞は狙っていたわけではない
 セントライト記念での勝利により、クラシック最後の1冠・菊花賞への道が開けたのだが、勢司はあくまで馬本位に考えていた。

「先のある馬ですし、菊花賞は狙っていたというわけではないんです。もちろん、

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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

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