思い入れのある馬で、初の牡馬クラシック奪取となるか
◆夏を越えると、伝えたことを理解するように この春は、皐月賞2着、ダービー2着。皐月賞では、それまでになくガツンと掛かり、ダービーでは3コーナーで大きく躓くアクシデントがあった。それでいて、どちらもその差はコンマ1秒だ。福永はもちろん、角居にとってもこの春は悔しいシーズンだったに違いない。ここで改めてダービーを振り返る。
「3コーナーで落ちそうになったときは、思わず声が出ましたね。正直、落ちたと思いました。ゴール前は“なんとか祐一くんに…”という思いで見ていましたが、同時にキズナの脚も見えてしまいましたので。それでも直線では、ひと声、ふた声、叫んだかな(笑)」
ひと夏を越し、レースぶりもさることながら、馬房でも「悪さをしなくなった」というエピファネイア。“3歳の夏”というのは、これほどまでに競走馬を成長させるものなのか。
「基本的には、普段もうるさいです。一瞬のパワーとスピードがあるので、それを人間が多少強引に制御しようとすると、やはり暴れます。でも、扱いが大変だなと感じるのは、大概3歳の春までですね。夏を越えると、急に大人になってきますから。無駄なことをしなくなりますし、伝えたことをだんだん理解してくるようになるんです」
◆心身ともに充実した状態で本番へ! こうして順調に成長の跡を見せたとなれば、あとは秘めた能力を解放するのみ。本番に向けての調整の課題を聞いた。
「神戸新聞杯を見る限り