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天皇賞・秋、スワンSなど追い切り診断

  • 2013年10月24日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・天皇賞・秋(GI)
・ジェンティルドンナ
 前走の宝塚記念は、ドバイ遠征から帰国した初戦。ローテーションの兼ね合いで、ゆったりとした調教スケジュールではなかったが、それでも状況に合わせた仕上がりになり、見せ場のあるレースとなった。当時と比較すれば、レース前の準備期間が全く違う。早目に栗東へ帰厩したこともあって、至極順調に追い切りを重ね、週を追うごとに良化。10月17日の追い切りでは、その日の一番時計をなる、4F51.3秒をマーク。併せた相手が止まって見える、素晴らしい動きだった。そして、最終追い切りは単走。1週前に仕上げるのが、この馬の好走パターンだが、それが最終追い切りのラスト1F12.5秒に表れている。とにかく、調教状態に関しては、何も言うことがない。

・アンコイルド
 北海道シリーズでの好走に続き、前走京都大賞典でもクビ差の2着。重賞勝ちこそないものの、近走の安定した走りには好感が持てる。特に前走は中6週とレース間隔があいていたにも関わらず、しっかりと追い切りを重ねて、最終追い切りで坂路4Fの自己ベストを更新していた。そこから中2週。間隔が詰まる割には、追い切り本数は多い。1週前にはDPで時計を出しており、坂路だけでなくトラックでの調教を取り入れた点も評価したい。ただ、最終追い切りは少々地味。相手が攻め駆けするタイセイレジェンドとはいえ、持ったままの相手に対して、一杯に追っても追いつかず。馬体を並べることもできないまま遅れてしまった。前走時の追い切り内容が良かっただけに、4F55.7秒と時計が遅く、併せ遅れの内容は決して評価できない。

・ダノンバラード
 AJCC1着、宝塚記念2着はいずれも最終追い切り場所がCW。今回の最終追い切り坂路は前走オールカマーから引き続いてということになる。ただし、前走はオーシャンブルーとの併せ馬だったが、今回は単走。動き自体は非常に力強く、そして安定したフォーム。4F54.5〜1F12.8秒という時計は前走時より遅く、強め程度の負荷しか掛けられていない。見た目の動きは十分評価できるが、この中間、トラックでの追い切りは皆無。過去に1ヶ月以上レース間隔があって、トラック調教がなかったというのは、13走前の新潟大賞典(4着)くらい。決して、大崩れはないだろうが、それ以上の評価となると難しい。

◆土曜京都1R・スワンS(GII)
・マジンプロスパー
 前走は最高とも思える最終追い切り内容での出走。レース間隔があいた分、太目が残った仕上げかも知れないが、本当に太目なら、あれだけの動きができないだろうし、レースでもあそこまで走れない。4着という結果は調教以外の要素だろう。そこから中3週。中間の追い切り本数は標準。1週前に坂路4F53.3秒をマークしており、最終追い切りは、いつも通りの単走。時計の出にくい重い馬場だったとはいえ、4F52.9〜1F13.0秒はらしくない。ステッキが入った時には、軽く尻尾を振って嫌がるような素振りを見せており、状態に関しては、前走時の方が断然よかったのではないだろうか。

・エーシントップ
 前走安田記念は追い切り内容も軽く、決して万全とは思えない状態での結果。古馬との初対決というファクターがあったにせよ、度外視してよい敗戦だろう。今回は2戦2勝の休み明け。問題は仕上がり状態。西園正都厩舎にしては、非常に早い時期に栗東へ帰厩。坂路だけでなく、CWでも時計を出した併用仕上げ。追い切り本数は十分すぎるくらいにあり、1週前追い切りではサダムパテックに先着。最終追い切りは単走だったが、坂路4F52.0〜2F24.8〜1F12.6秒とラスト2Fの脚がしっかりしていた。この仕上がりで結果が出ないようであれば、古馬との力差があるということかも知れない。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京11R・天皇賞・秋(GI)
・コディーノ
 前走毎日王冠は珍しくスタートで後手。そのうえ流れは極端なスローペース。上がり3F32秒7の強烈な末脚を発揮しても届かず7着は仕方なし。馬体もプラス18キロは少し立派だったようだ。それを意識してか、23日の最終追い切りでは、1600万ホーカーテンペストを3馬身追走から、ラスト1Fを強目に追い、今までにない程攻め馬強化。5F65秒2〜3F37秒3〜1F12秒3の時計も、ウッド調教ではベストのもので、この内容を消化できたことでキッチリ仕上がってくるはず。今回は調教前の姿勢に大人びた面があり、気性面での成長十分。2000mでも折り合いに心配がなく、能力展開は確か。好位追走の積極策から瞬発力を生かせばチャンス。

◆日曜東京12R・河口湖特別(1000万下)
・サクラレグナム
 金成調教師が3階の記者席で見守る中での追い切り。戸崎騎手が手綱をとって5ハロンから加速をつけた。道中は14秒0〜12秒6というハイラップを楽々と踏んで、64秒4〜50秒0〜37秒4を馬なりでマーク。前走の新潟戦2着時の状態も素晴らしかったが、今回の動きも文句のつけようがないものだった。地方競馬に一旦出されてから戻ってきた馬だが、遅咲きのスロースターターで、本当に強くなるのはこれから。楽に折り合えるであろう1400メートルへの距離短縮はもちろん大歓迎。昇級2戦目のここは、アッサリがあっていい。

◆日曜新潟11R・轟S(1600万下)
・レオパステル
 1週前に、レースでも騎乗予定の黛騎手が跨って好時計を出したが、回転の早いフットワークでキビキビした動き。この時点で仕上がっており、今週は息を整える程度だったが、素軽い動きで見た目以上の時計をマーク。気合ものって状態面は万全と言えそうだ。新潟の千メートルは、春の開催で準オープン2着の実績があるし、夏は重賞のアイビスSDで4着に健闘。この距離では格上的存在だ。

◆土曜東京11R 紅葉S(1600万下)
・ミヤビファルネーゼ
 稽古駆けする馬だが、久々の前走は速い時計こそ出ていたが、追ってからの反応が悪かった。ひと叩きされた今回は気合のりが一変、今週はポリトラックで68秒4-39秒0。1秒1先行させたアメリカンウィナーを楽々と捕まえると、逆に1馬身突き放してゴールイン。身のこなしに切れが加わり、鋭さ満点の伸び脚を披露。久しぶりに良い頃の動きが戻ってきた。この条件はすでに勝ち上がっている馬、前3走の着順が悪く配当的な妙味も十分。狙い撃ちする。

◆土曜東京10R・三峰山特別(1000万下)
・タイセイスティング
 前走が8月の瀬波温泉特別。1コーナーで外へ持ち出そうとして斜行。そこからスムーズに流れに乗れずチグハグな競馬。最後で差は詰めたものの不完全燃焼の6着。中間リフレッシュ放牧で今回2ヶ月半の休養明けになるが、ハードな日程で急ピッチで乗り込まれ直前の追い切りでは直線軽く仕掛けて5F66秒4〜上がり36秒8の好時計をマーク。500キロを超す大型馬でも、まったく重め感はなく確かな反応を見せた。スムーズな競馬さえできれば確勝。

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