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弱点を弱点のままとしない

  • 2013年10月25日(金) 12時00分
 先週の菊花賞は、1頭・エピファネイアの強さのみが際立つ内容でしたね。

 好スタートをきっての好位のポジションで折り合いに専念した福永騎手と、その指示に応えたエピファネイア。

 最初こそ少し行きたがる面を見せてはいましたが、返し馬の時点からダービー時とは明らかに違うテンションでレースへと向かっており、騎手心理としても余裕を持って臨めたように感じます。

 それにしても、弱点を弱点のままで終わらせず結果を残す角居厩舎の馬作りには、いつも凄いなぁ〜と感じます。

 春との違いをあげればリングバミや舌を縛るといった馬装具やダービー時とは違う調教内容をとっており、常に1つのレースを終えるたびに、そこに至るまでの内容と結果を分析し、その点を踏まえての試行錯誤で取り組み、次に繋げているように感じます。

 またデルタブルースでの菊花賞制覇の時もそうでしたが、今回のエピファネイアにしても京都の3000mではスタミナを重要視した体の作り方をしており、共にプラス体重。

 体の余分な脂肪をそぎ落としたかのように見受けられた東京の2400mのダービー時とは違う体型になっており、その点からも角居流が伺えるものでした。

 またシンボリクリスエスと言えば産駒にムラの多さを感じますが、このエピファネイアは常に結果を残す走りをしており、その点においても何か角居厩舎ならでのものがあるような気がします。

 今回ウィークポイントだった折り合いを長距離で克服したわけですから年内の国内戦はもちろんのこと、今後、海外へむけてのさらなる夢も広がりそう。楽しみです。

 さて今週は天皇賞。
 週末台風がまた近づいているということで、その影響や馬場状態によって有利・不利が分かれそう。

 馬場が悪くなれば、やはり前走の札幌記念で後続馬を突き放す走りを見せた逃げ馬・トウケイヘイローの魅力が増すでしょう。

 実はこの馬を管理する清水調教師は、元女性騎手の押田純子ちゃんの旦那さん。
 当日は3人のお子さんと共に東京競馬場へ応援に行くとのこと。
 個人的にも純ちゃんの喜ぶ顔が見たいものです。

 それでは皆さん、また来週お逢いしましょう。
 ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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