スマートフォン版へ

エアグルーヴの孫、カノーロが東京でデビュー

  • 2013年11月11日(月) 18時00分
【栗東】
◆エイシンブルズアイ(牡、父Belgravia、母Miss Fear Factor、栗東・野中賢二厩舎、
 野中賢二調教師が「乗り手がみな絶賛する」という素質馬で、ゲート試験時には騎乗していた川島信二騎手が「速い」という言葉を残してゲート出た馬。速いのはゲートだけでなく、中間の追い切りでもスピードのある動きを見せている。
 まずは10月30日の坂路追い切り。2F目に12.7秒をマークしているが、このラップなら、最後は止まるという時計。それを最後まで伸びて、4F51.3秒。この動きと時計に驚いたのはもちろんだが、坂路だけ時計が出るというタイプはいる。
 そんなわけで、11月6日のCコースでの追い切りには注目していたが、古馬ピクシープリンセスと併せても互角、むしろ、それ以上の動き。6F82.1-1F12.5秒という時計はもちろんだが、それ以上に追って伸びる走りに印象が残った。現時点では文句のつけようがない動き。デビューが予定されている、11月16日(土)京都芝1600mでは、きっちり結果を出してくれるのではないだろうか。なお、鞍上は福永祐一騎手を予定している。
「乗り手がみな絶賛する」エイシンブルズアイ

「乗り手がみな絶賛する」エイシンブルズアイ

◆ワールドインパクト(牡、父ディープインパクト、母ペンカナプリンセス、栗東・友道康夫厩舎)
 全兄ダノンジェラートは芝中距離で4勝を挙げており、3歳時にはセントライト記念3着という重賞実績もある。また、全姉ロジプリンセスは東京芝1800mで新馬勝ちしている。
 本馬は函館競馬場でゲート試験に合格。その後、一旦放牧に出されて、栗東へ入厩しているが、当初の動きはさほど目立っていなかった。それが、11月6日のCコースで動きが一変。古馬グリッターウイングを追走する併せ馬だったが、道中じわじわ差を詰めて、最後は相手を突き放す動き。1F12.3秒はなかなかの伸びだった。これなら初戦からしっかりと動いてくれそう。11月17日(日)京都芝1800mを岩田康誠騎手でデビューする予定となっている。

 なお、母がアドマイヤグルーヴということで、POGでも注目を集めるボージェストは、11月16日(土)京都芝1600mをC.ルメール騎手でデビューする予定。
岩田康誠騎手でデビューする予定のワールドインパクト

岩田康誠騎手でデビューする予定のワールドインパクト


母アドマイヤグルーヴのボージェスト

母アドマイヤグルーヴのボージェスト

◆ヴェルメンティーノ(牝、父ダイワメジャー、母ドメーヌ、栗東・須貝尚介厩舎)
 兄姉に活躍馬はいないが、母はチリ2歳牝馬チャンピオンで、母系はチリで活躍している。ちなみに父はダイワメジャーだが、その産駒、カレンブラックヒルがNHKマイルCを勝っている。
 本馬は10月30日にCコースでアスカクリチャンと併せ馬。遅れてしまったが、自分より格上、まして、その週末に重賞(アルゼンチン共和国杯)を勝った馬と併せているのだから、仕方ない結果だろう。それよりも、6F81.6秒と速い時計を出していたことを評価したい。この追い切りの効果なのか、11月6日の坂路では新馬ワールドダンスと併せて3馬身ほど先着。1週前追い切りとしては十分に動いている。11月16日(土)京都ダート1400mを秋山真一郎騎手でデビューする予定。
秋山真一郎騎手でデビューする予定のヴェルメンティーノ

秋山真一郎騎手でデビューする予定のヴェルメンティーノ

◆メイショウサンキチ(牡、父フレンチデピュティ、母メイショウオスカル、栗東・安達昭夫厩舎)
 母は同厩舎で管理され、フローラS、福島牝馬Sを勝った重賞ウイナー。近親には、フサイチコンコルドが勝った、1996年日本ダービーで3着になったメイショウジェニエがいる血統。
 本馬はゲート試験合格後、Cコースでの追い切りを中心に積み重ねているが、10月30日の動きは今ひとつ。ただ、11月7日は時計こそ遅いものの、前にいた他厩舎の馬を追走して、ゴールで併入。馬なりで6F86.5-1F12.9秒をマークした。デビュー戦だが、芝かダートを思案中ということで、11月17日(日)の京都芝1800mもしくは京都ダート1800mを予定。鞍上は追い切りにも騎乗している武幸四郎騎手が予定されている。

【美浦】
◆アスコルティ(牝、父デインヒルダンサー、母リッスン、美浦・国枝栄厩舎)
 Sadler's Wells産駒の母は英GIのフィリーズマイル(芝8F)を勝っており、いとこに英2000ギニーなどGIを4勝したHenrythenavigatorがいる。先週の11月6日には坂路で4F51.1秒の好タイムをマークした。「ゲートを出てからのダッシュも速いし、いいスピードがありそう。調教でも動いているし、稽古どおりなら初戦から楽しみ」と国枝調教師。11月17日、東京の芝1400mを後藤浩輝騎手で予定している。

◆カノーロ(牝、父ディープインパクト、母ソニックグルーヴ、美浦・堀宣行厩舎)
 名牝・エアグルーヴの孫。アドマイヤグルーヴ、フォゲッタブル、ルーラーシップ、グルヴェイグなどの姪っ子に当たる良血だ。「カッとなりやすい気性だけど、この馬に乗った人の誰もが身のこなしの良さを評価している。しまいの反応もしっかりとしているし、軽い走りで切れる脚を使えそう。もう少し落ち着いてくれれば理想的だけど、血統的にも楽しみ」と橋本調教助手。11月16日、東京の芝1600m(牝馬)を戸崎圭太騎手で予定している。

 堀厩舎からは仏国産馬のサトノジェイド(牝、父Cape Cross、母Mystic Lips)もスタンバイ。こちらは「しっかりと攻め馬を詰めているし、ひと追い毎に体つきも締まってきた。どちらかと言えば長く脚を使えそうなイメージ」とのこと。11月17日、東京の芝1800mを石橋脩騎手で予定している。

◆サンソヴール(牝、父キングカメハメハ、母サンヴィクトワール、美浦・斎藤誠厩舎)
 叔父に京都新聞杯2着など現オープンで活躍中のユニバーサルバンクがいる。蕁麻疹が出て予定を延すことになったが、むしろ十分に乗り込めたのはプラス材料だ。「まだ体質的な弱さはあるけど、追ってからの反応がいい。気持ちも前向きだし、初戦から動けると思います」と斎藤調教師。11月6日、東京の芝1600m(牝馬)を田辺裕信騎手で予定している。

◆スウィートレイラニ(牝、父ディープインパクト、母ウィキウィキ、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
 全姉にローズS3着のウリウリ、現1600万下のエンドレスノットがいる。「この血統は敏感でテンションが上がりやすいようだけど、速いところに行けば大丈夫。反応がいいし、ジョッキーも手応えを掴んでくれている。しっかりと走れば初戦から楽しみ」と篠原調教助手。11月16日、東京の芝1600m(牝馬)を蛯名騎手で予定している。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング