◆フィリーズレビューは特殊なレース
ホームページで公開している無料出馬表では、サンデーサイレンスの系統をダートが得意な「Dサンデー」や中央の主流コースの中長距離に強い「Tサンデー」短距離に強い「Pサンデー」ローカルの方が走る「Lサンデー」に分類しています。
年間トータルで見れば「Dサンデー系」の馬はもちろんダートでの勝ち星が多いわけですが、この系統分類は、必ずしも「ダートならDサンデー」「中央の主流コースならTサンデー」と使うためだけに用意されたものではありません。
むしろ「芝コースだけれどもDサンデーを狙う」といった「特殊な局面」でより一層効果を発揮します。
阪神芝1400mで行われるフィリーズレビューも「クラシックのトライアル重賞」でありながら「特殊な局面」になることが多いレースです。
昨年の勝ち馬、メイショウマンボはスズカマンボ産駒。2着もブラックタキシード産駒。いずれもサンデー系では「Dサンデー系」に属するタイプ。
一方、ディープインパクト産駒は過去5年で4頭出走してすべて4着以下。2011年にドナウブルーが1番人気4着、2012年にアンチュラスが3番人気9着と人気を裏切った例もあります。
主流コースに強いTサンデー系も過去5年で9頭出走して馬券になったのは1番人気で2着のラナンキュラスのみ。人気より走って馬券になった馬はいません。
つまり、ディープ産駒が走らないような条件は、要求される能力が主流とはズレてダートのような適性が要求されることがあるから「Dサンデー系」が上位を独占して好配当になるわけです。
今年のフィリーズレビューに出走を予定している「Dサンデー系」の馬はネオユニヴァース産駒のリアルヴィーナスのみ。母父ロックオブジブラルタル、母母父はロイヤルアカデミー。どちらも欧州の芝短距離ならディープにも負けず劣らずの名血。日本の主流血統が走りづらいこの条件なら買いでしょう。
と書いてみたものの、今年はディープ産駒の出走が1頭のみ。Tサンデーの出走はゼロ。
ヤマノフェアリーはディープ産駒の中では珍しい1400m巧者。使う側のヒト達も、フィリーズレビューが特殊なレースであることは、もはや百も承知なのか、主流タイプの血統馬が今年は出ていないのです。
今年は、父サンデー系に広げても出走馬はわずか3頭。逆にスプリント血統やダート血統揃いのレースになってしまいました。
芝レースで、短距離血統やダート血統がテン激しくやり合うと、逆に中距離型の名血を持った馬がザックリ差すケースも多々あります。「今年は、父サンデー系の3頭ボックスで当たってしまった」なんて簡単な話があるかもしれません。それがレース前にはわからないのが競馬の難しいところですが。最終予想は亀谷敬正のホームページにて。