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【2冠をめぐる物語 第一章】空前絶後の春4冠〜カブラヤオー&テスコガビー Part1

  • 2014年04月11日(金) 10時00分
桜花賞
1975年の春クラシックで、前人未踏の4冠制覇を成し遂げた菅原泰夫。そこには知られざる腐心、そしてひたかくしにした“秘密”があった──。川田将雅が同様の記録に挑む今年、38年前の快挙の真実に迫った。


◆地味な男が春クラシック4冠を独占

 当時29歳。真面目だが活躍馬に恵まれず、ローカルが主戦場だった菅原泰夫に、騎手人生で最大の転機が訪れた。カブラヤオーとテスコガビーとの出会いである。

 カブラヤオーの血統は父ファラモンド、母カブラヤ。遅生まれということもあり、3歳の夏になっても買い手のつかない、売れ残りの馬だった。東京競馬場の茂木為二郎厩舎に入厩したころもほとんど目立たず、見栄えのしない馬だったという。

 対してテスコガビーは一世を風靡したテスコボーイ産駒。管理する仲住芳雄調教師がガビーを初めて見たときに牡馬と見間違ったほど、隆々とした体躯の馬だった。

 菅原がはじめてテスコガビーに跨ったのは3歳の9月、新馬戦に備えたゲート試験だった。菅原はその一度で、すっかり魅せられてしまったという。

「とにかくスタートが速くて、ゲートが開いた瞬間にはもう二、三歩出ていた。そしてあっという間に加速する。ケタ外れだった」

 新馬戦は7馬身差、3戦目の京成杯では牡馬相手に重賞初制覇。菅原はその魅力についてこうも語っている。

「道中も鞍上の指示に従順だったし、しまいの脚もしっかりしていた。まさに“テンよし・中よし・しまいよし”の馬だった」

 桜花賞の前哨戦もレコードタイムで制し

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