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なぜ桜花賞ではディープ産が少数精鋭になってしまうのか

  • 2014年04月11日(金) 18時00分


◆苦手条件のトライアルを勝ったハープスター

 ディープインパクト産駒は「得意な条件」に「少ない頭数」が出ている状況で買うことも有効です。

 昨年の桜花賞も、たった2頭しかディープインパクト産駒が1、2着。馬連は33倍。「得意な」阪神コースに「少ない」出走数でした。

 スケールは最下級条件に落ちますが、先週の4月5日の3レース、未勝利戦も阪神芝1600m。「たった2頭」しか出ていなかったディープインパクトが1、2着。

 このレースはホームページで公開している勝負レースに指名したのですが、ディープインパクトが2頭しか出ていなかったから。

 だけでもいいんですが、もうひとつ強烈な買い材料が揃っていました。単勝6.9倍で勝利したセウアズールが「この時期においしい」ディープインパクトのパターンに該当していたからです。(さすがにインターンシップからでは勝負レースには選べません)

 セウズアールは今回の未勝利戦が初出走。この時期(3-5月)の未勝利戦で初出走のディープインパクト産駒は複勝回収率104%。単勝10倍以内に支持された馬は単勝回収率226%。複勝回収率118%

 馬の完成優先で待っていたディープ産駒のほうが、この時期まで勝ち上がれなかった馬達よりも能力上位の可能性が高いわけです。もちろんセウズアールを本命。2着のインターンシップを対抗にして馬単17倍を拾いました。

なお、セウズアールは単勝オッズが6.9倍に対して、馬単1着固定の総流しで同じように払い戻される買い方をした場合の合成オッズは8.4倍。同じ確率にもかかわらず、馬単が圧倒的に得でした。

 セウズアールのような、「ちょっと秘密めいた馬」は、一部の人間が大量投票することでオッズが下がるので、単勝よりも馬単のほうがオッズがおいしくなることは、よくあるケースです。(YOUTUBEの亀谷敬正の血統データラボでも解説しているのでもご参照下さい。解説している間に単勝を買いそびれたのは間抜けでしたが)

 ところでJRAは控除率を6月7日より変更します。単勝が80%の払い戻し率に対して、馬単は75%。単勝の方が5%得をしているような錯覚を覚えますが、必ずしも単勝の方が有利なオッズになるわけではありません。

 たとえば、セウズアールにしても、6月7日以降のルールでも馬単総流しの方が有利です。

 ヘヴィープレイヤーが、自身の動きで単勝オッズを下げてしまうからです。この問題をJRAは気づいていないか、無視しているのは、JRAの方々は馬券を買えないからでしょうね。

 さて、桜花賞に話は戻ります。昨年の桜花賞でディープインパクト産駒が2頭しか出走していなかったのは、ディープ産駒はじっくり仕上げられる馬が多いことに加え、トライアルはディープ不利の条件が揃っている影響も強いでしょう。

 フィリーズレビューはディープ苦手の阪神芝1400m。フラワーC、アネモネSも小回りの中山コース。同じコースのチューリップ賞は、ディープ苦手の前残り馬場になりやすい時期に開催。

 別の見方をすれば、苦手条件のトライアルから桜花賞に駒を進められるディープ産駒は、能力が抜けた馬も多いともいえます。そして、本番の桜花賞はディープが走りやすい馬場になりやすいので、出てきた馬が上位を独占するのです。

 今年の桜花賞もディープ産駒はハープスターただ1頭。ただ、この馬の場合は期待値的においしいとまではいえませんけれども。

 今週の重賞で馬券的にディープを扱うなら阪神牝馬Sの方が興味深いのではないでしょうか。阪神芝1400mはディープ鬼門の条件だからです。(実は先週も阪神芝で勝負レースに選んだのは1600mが1鞍で1400mが2鞍。うち1レースで3連単10万馬券を的中したこともあるんですが、個人的には1400mの方が好みです)

 阪神芝1600mで行えば、ディープ産駒が上位独占する確率は高いメンバー構成ですが、ミナレット、ウイングザムーンあたりが阪神芝1400mの恩恵をどこまで受けられるかに注目してます。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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