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【皐月賞特別企画】当事者が語るGI制覇の舞台裏〜アグネスタキオン・河内洋調教師Part2

  • 2014年04月16日(水) 18時00分
◆スタンドの大歓声、対照的な河内の思い

 名前の由来である「タキオン=超光速の粒子」と、黄金に輝く美しい馬体から、光速の貴公子と呼ばれたアグネスタキオン。しかしその素顔は、名手・河内洋をしても手こずる頑固さを持ち合わせていた。

「今だから言えるけど、実は超ワガママ息子だったんですよ(苦笑)。一度おヘソを曲げたら、テコでも動かなくなるんです。皐月賞の時も、ゲート裏でみんな一緒に輪乗りをしているでしょう。車と一緒で、誰かがちょっと止まると連鎖してみんなちょっとずつ止まることになる。それで止まったら、タキオンは動かなくなってしまうので、とにかく気を使いました。ゲート入りの時も必ず止まるから、そうしたらすぐに覆面(ゲート入りを嫌がる馬の顔に被せて、視界を遮断する馬具)を被せて下さいってスターターにお願いしておいて。案の定止まったので、すぐ覆面を被せてもらいました。

そうしたらスタンドから『ウワ〜』って歓声が上がったんですけど、すんなり入ってくれました。もしもゴネてる時に後ろからムチで叩かれたりしたら、もう絶対に動かなくなりますから、とにかくそこまでが心配で心配で。ゲートに入った時には、『これで勝てる』ってホッとしましたね」

河内洋調教師

▲“幻の三冠馬”の一冠目、皐月賞(撮影:下野雄規)


 颯爽と走る美しい姿からは想像出来ないような、強情さを持っていたというアグネスタキオン。あの驚異的な末脚を発揮するためには、レース前から細心の注意が必要だったのだ。無事に発走を迎え、レースは4、5番手の好位追走から、直線半ばで早々と先頭に立ち、最後は流す余裕を見せて快勝。素晴らしいレースを見せてくれたタキオンに、スタンドから惜しみない声援が送られる。しかし、鞍上の河内の表情は冴えなかった。

◆屈腱炎で突然打ち切られた夢

「もっと突き放すと思ったんですけど、

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