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距離延長の2400mで笑うのは?

  • 2014年05月27日(火) 12時00分


◆イスラボニータが距離をこなせるかどうかについては遺伝子検査の話まで出てきて議論の的に

 ダービーでは皐月賞馬が人気になることが多いはずだが、今年のイスラボニータについては、人気にはなるだろうが一本かぶりとまではいかないだろう。それはやはり距離があるからで、同馬が距離をこなせるかどうかについては遺伝子検査の話まで出てきて議論の的である。

 一方で、どんな馬にも初距離や距離延長に関するリスクはある。そこで今回はいささか野蛮な調査法ではあるが、今回出走する馬たちの父について、「産駒の芝2400m以上戦初経験レースにおける成績」を調べてみよう。芝2400mではなく「芝2400m以上」としたのは、2500mや2600mを走ってから2400mに来るケースもあるからだ。その場合後から走った2400mのほうを対象にするのではなく、最初に走った2500m・2600mのほうをカウントすることになる。

 まずは問題のフジキセキ。「はじめての芝2400m以上戦」の成績は[6-3-8-100]で勝率5.1%・複勝14.1%。回収率は単61%・複53%。あまり芳しくない数値だ。

 トゥザワールドと同じキングカメハメハ産駒はというと、[10-9-10-100]で勝率7.8%・複勝率22.5%はフジキセキより上。ただ回収率は単55%・複53%。人気になるレベルの馬は走るが穴になりにくい。

 ワンアンドオンリーと同じハーツクライ産駒は[6-10-9-48]で勝率8.2%、複勝率34.2%。回収率は単65%・複103%。単穴は出ていないがここまでの中では一番良い。

 ディープインパクト産駒は[16-18-11-74]で勝率13.4%、複勝率37.8%。回収率は単73%・複72%で穴にはなっていないが、勝率が高い。

 あくまで超単純かつ荒っぽい調査だが、こうしてみるとやはりイスラボニータと2400mという問題について、悩んでしまうところである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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