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【ダービー特別企画】当事者が語るGI制覇の舞台裏〜ジャングルポケット・角田晃一調教師Part3

  • 2014年05月28日(水) 17時59分
◆ジョッキー生活13年目、初めて迎える“1番人気のダービー”

「タキオンが回避した時点で、1番人気になることはわかっていました。ダービーまでの1か月弱、とにかく自分のなかに雑音を入れたくなくて、取材も全部お断りして…。もちろん、本来なら取材を受けなければいけない立場であることはわかっていましたが、『ダービーが終わったらいくらでも喋るから』ということで、勘弁してもらったんです。マスコミのみなさんはそれが仕事ですから、今となっては申し訳なかったと思いますが、あの1か月はとにかく集中したかった」

 かくして挑んだ第68回日本ダービー。中間の調教では、特別なことは何もしなかったというが、皐月賞より確実に状態はアップ。角田いわく「少しずつ少しずつ究極に近づけていく感じ」の調整だったという。枠順は、皐月賞の1枠1番から一転して、大外18番を引いた。

「内枠で待たされたりするなら、むしろ大外のほうがいいと思っていたんです。それに、ダービー当日、師匠が『ほかの馬は気にするな。自信を持って乗ってこい』と言ってくださって。たとえ皐月賞のように出遅れても、大外から1頭1頭負かしていこうと自信を持って乗りました。ほかの馬の動きに惑わされることなく、折り合いだけ気を付けて、じっくりじっくり乗っていこうと」

 ジョッキー生活13年目にして初めて経験するダービー1番人気も、「緊張はしなかった」という角田。

「やることはすべてやったという気持ちがあったので。前の晩もしっかり眠って、あとはもうその瞬間を待つだけという心境でしたからね」

角田晃一調教師

▲角田「やることはすべてやった、あとはその瞬間を待つだけ」


 当日はあいにくの重馬場。重馬場で行われるダービーは、84年のグレード制導入以降、この01年が初めてだったが、ジャングルポケットは「まったく気にしていなかった」という。この日はスタートも五分に出た。

「向正面でクロフネとダンツフレームが上がっていくのを見ていましたが、僕は“まだ早い”と思ったので、ついては行きませんでした。直線は1頭になるとヨレる馬だったので、1頭で走るよりパートナーがいたほうがいいと思って、一番手応えがありそうなダンツフレームと一緒に上がっていきました。直線半ばでは“もう絶対にかわされない”という手応えはありましたが、東京の直線は長いんでね。早くゴールがきてくれと思いながら追っていましたね」

 抜け出すときに一瞬、内にモタれるような仕草を見せ

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