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大久保洋吉調教師の最後の大仕事に注目だ(辻三蔵)

  • 2014年06月24日(火) 18時00分


◆大久保洋調教師「2歳にも楽しみな馬が揃ったし、来年2月まで全力で走り抜けたい」

 全国ウン千万人の洋吉ファンの皆様、おまっとさんでした。

 来年2月末で定年になる大久保洋吉調教師にとって、今年が最後の2歳戦。

 大久保洋吉調教師は「定年まで残り時間は少なくなってきたが、現時点で2歳馬が4頭入厩しているのは有難い。来年、次の厩舎に良い形でバトンタッチするためにもまずは一つ勝たせたいし、勝ち星を積み重ねれば暮れのGIにも使いたい」と闘志を燃やす。

 先陣を切るのはドラゴンパイロ(牡、父パイロ、母クィリー)。5月16日にゲート試験に合格後、古馬1000万のレッドガルシア、ペガサスジュニアと併せ馬を消化。坂路とウッドコースを併用して、調教本数を11本積み重ねている(6月19日時点)。

「古馬相手に乗り込んでいるので走りがシッカリしているし、即戦力として期待している。血統的にはダートが合う印象はあるが、産駒は芝もこなせるし、マイルぐらいの距離が合いそうだ」と好感触を掴んでいる。

 パイロは今年の3歳世代が初年度産駒になるが、新馬戦で[4-2-3-21](勝率13.3%、複勝率30%)の好成績を収めている。芝のオープン特別で2着2回のシゲルカガも輩出しており、芝適性も問題ない。6月28日(土)東京5Rメイクデビュー東京(芝1600m)を吉田豊騎手で予定している。

 マイティーハニー(牝、父ハーツクライ)は大久保洋厩舎で4勝したマイティースルーの初仔。調教師お気に入りの「箱入り娘」なので大事に育てられている。19日の南馬場ウッドコースでは前述のドラゴンパイロと併せ馬を行い、2馬身先着。調教時計の5ハロン67秒7(1ハロン13秒1)も馬場状態が荒れた時間帯を考慮すれば優秀だ。

 しかし、大久保洋吉調教師は「まだトモに緩さがあるし、動きに力強さが足りないな。全体的に華奢な印象があるので、もう少し体がふっくらして欲しい。間に合えば東京で使うことも考えていたが、期待が大きい分、デビューさせるときは万全の状態で使いたい。中身は出来てきたので、ここで一旦緩めて体を大きくするつもりだ」と慎重に話す。2回福島開催を目標に調整を進めていく。

 5月30日に入厩したイーデンホール(牡、父ゴールドアリュール、母シーリーコート)はゲート練習中心の調整。「まずは坂路を2本登って体力作りに努めている。馬格があり、見栄えがするのは同じゴールドアリュール産駒のオーロマイスター(10年の南部杯優勝)と良く似てる。ゲート練習を見てもセンスの良さを感じるし、大物感があるな」と口調も弾む。

 ツァーリーナ(牝、父エンパイアメーカー、母ペイドリン)は近親に愛ダービー馬セントジョヴァイトがいる良血馬。「エンパイアメーカー産駒はフェデラリストのイメージが強いので、芝の長めの距離が良さそうだな。母系も優秀だし、奥の深さを感じる」と評価は高い。「ショウナンラグーン、サンカルロとGI制覇を目標に戦う馬もいるし、ラジオNIKEEI賞に使う予定のメドウヒルズも夏の上がり馬として期待している。2歳にも楽しみな馬が揃ったし、来年2月まで全力で走り抜けたい」と力を込める。大久保洋吉調教師の最後の大仕事に注目だ。

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