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◆セン馬はデータ傾向的に牝馬に近い

7月20日の潮騒特別はファルブラヴ産駒のセン馬、ラヴェルソナタ、レヴァンタールが1、2着を独占。馬連は114倍の万馬券。

ファルブラヴは、フィリーサイアー(牝馬に活躍馬が多い種牡馬)として有名ですが、実はセン馬の期待値も抜群に高いのです。潮騒特別は典型的なレースでした。

そして、ファルブラヴ以外にもセン馬の期待値が高い種牡馬は存在します。たいていは牝馬も活躍馬が多いか、むしろ牝馬のほうが活躍馬の多い種牡馬です。(勝手にカストラート種牡馬とでも呼びましょうか)

つまり、セン馬は元々は牡馬ですが、データの傾向は牝馬に近いのです。
去勢自体が、牝馬のような体質にする効果に加え、去勢されるような馬は気性が牝馬のような馬が多いことも影響しているのかもしれません。

ほとんどの競馬データでは、セン馬の種牡馬データを牡馬と一緒にされていますが、間違いの可能性も高いのではないでしょうか。だからこそ、セン馬の活躍馬が多い種牡馬は馬券において有効なのです。

なお、このレースはホームページで公開している勝負レースに指定。本命ラヴェルソナタ、対抗にはレヴァンタールを推奨しました。

と、書きだしたのは、先週の「推定人気順位」の話が、一部の読者の皆様からあまりにも不評だったので違う話題にした…わけではありません。自慢したいだけでもありません(笑)。

潮騒特別のラヴェルソナタは、先週公開した「推定人気順位」が有効な馬の典型例なのです。少なくとも、ボクは「推定人気順位」があったからこそ、勝負レースに選べました。

「推定人気順位」を用いた場合、ラヴェルソナタは「異質」な投票動向(オッズ)の馬だとわかります。これが勝負レースに指定して馬券を買う上で極めて重要なのです。

では、ラヴェルソナタは、何が「異質」だったのでしょうか?　まずはオッズの「質」について解説しましょう。

たとえば、最終的に確定オッズが5人気の馬がいたとします。
「推定予想順位」が4〜6位で当日5人気の馬を仮にA。
「推定予想順位」が10位だったけれども当日5人気の馬をBとします。

この2頭は明らかに「オッズの質」が違います。
Aは標準的な投票動向で5人気になった馬。
一方、Bは一部のマニアが人気を上げている「異質な投票動向の馬」です。

Aのような「推定人気順位通り」のタイプは、競馬場やウインズの道行く人に「今日はどの馬が勝ちますか?」とランダムにアンケートを続ければ5番目に人気になる馬です。いわゆる「一般票」で人気になる馬です。

一方、B馬は「異質」です。競馬場やウインズに行ってアンケートを取れば、8人気以下に落ちるでしょう。
しかし、実際には5人気なるような馬です。一部のプレイヤーが一般的なユーザーの平均購入額の数十倍以上の金額を投入するためです。ラヴェルソナタはまさにBタイプの「マニア票」で人気になった馬でした。

ラヴェルソナタの推定人気順位は7位。同馬の単勝オッズは最終的には5人気の10倍。推定人気よりも人気でした。また、14:30分頃までは1人気だったように、マニア票が大量に入った馬です(また、レヴァンタールとの馬連も異常に売れていました)

「オッズを見て買うだけ」のプレイヤーには、ラヴェルソナタがAタイプの「一般票」で支持された馬なのか?　Bタイプの「マニア票」によって人気になった馬なのか?　がわからないのです。

確定オッズを用いた場合、ラヴェルソナタのような馬は「ただの人気馬」になりますが、「推定人気順位」ならば、マニア票が大量に入った「異質の人気馬」と判別できるのです。

「異常オッズは時系列でオッズを見ればわかるじゃないか」という意見もあります。しかし、時系列オッズは、ひとりの人間が勝負レースにするのを止めるだけでも、大きく変わってしまいます。

「推定人気順位」ならば、オッズと異なり、マニアひとりの気分で順位が変わることはありません。

もちろん「血統」などのファクターを分析する際にも、「オッズだけ」と「推定人気順位」では「将来の期待値」を予想する精度も大きく変わります。もちろん分析に優れているのは圧倒的に「推定人気順位」を用いた場合です。

「推定人気順位」を用いれば、「一般票」によって5人気になっている馬は期待値が低いが「マニア票」によって5人気に押し上げられている馬は、期待値が高い。などのパターン検証も可能です。(次回以降に具体的なデータで示します)

ここまでの説明で「推定人気順位」の意義が伝わったかは疑問ですが。
次回以降は、「推定人気順位」を用いるからこそ抽出できる、期待値の高いパターンについて書くことにしましょう。

中京記念は父か母父キングマンボ系とトニービンで。

血統系統、推定人気順位は亀谷ホームページで無料でご覧いただけます。