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クラシックさえも意識できる戦いが期待できそうな小倉2週目の芝1800m戦(吉田竜作)

  • 2014年08月05日(火) 18時00分


◆夏競馬では気候やコース形態からなのか、どうしても注目度が下がりがちなのが小倉の新馬戦だが…

 夏競馬では気候やコース形態からなのか、どうしても注目度が下がりがちなのが小倉の新馬戦。ただ、2週目の芝1800メートル戦は久しぶりにクラシックさえも意識できる戦いが期待できそうだ。その中心にいるのは牝馬のリベルタンゴ。先週の木曜日には坂路で53.0-12.4秒で、切れのある末脚を披露した。池江調教師も「時計以上にいい動きだった。この時期の牝馬としては気性もしっかりしているし、体高があってスケールの大きさを感じる」とべた褒め。「重心が高いところがある」とはいうものの、これはキャリアを積みながら、体力をつけながら解消していくことだろう。まずは結果を出したいところ。

 これに対するのは西園厩舎のグランアルマダ。こちらは坂路4ハロンでは55.0秒と劣ったが、ラスト1ハロンは12.2秒と抜群の末脚。「大きな馬だけど動きが素軽いんだ。跳びも大きいので1800メートルという距離も合いそう」と西園調教師が言えば、田中助手も「初戦から面白いんとちゃう」と全面支持。この時期のダイワメジャー産駒で「素軽い」というのが何より心強い。この2頭の動向を聞いて、「そんなにメンバーが揃うのか?」と、ちょっと表情が曇ったのが橋口調教師。今年のダービートレーナーもこのアツい1戦にダノンメジャーというとっておきを投入するからだ。こちらの坂路タイムは54.1-12.7秒と数字では劣るが、橋口厩舎は全体的に時計が遅めに出るので問題ない。「水準くらいは動いているし、短いところでもやれそうなスピードを感じる。でも、フットワークからは距離が長くても、という感じがするんだ」と橋口師は目を細める。コメントどおりに受け止めるなら、小倉のこの距離はぴったりの条件。前の二人以上に小倉では燃える橋口調教師。この執念がどこまで通用するのか。

 今年は関東馬の出走ラッシュで、新潟に遠征する関西馬にとっては狭き門となっている。しかし、魅力的なのが施行条件の豊富さ。難しいのを承知で越後路へ行くのだから、各陣営ともに“それなり”の素質馬を送り込むようだ。音無厩舎からはダノンリバティが芝1800メートル戦へとエントリー予定。「23日の52.6秒が持ったままで余裕のある動きだった」と音無調教師。そして、翌週の31日には52.0-12.2秒と、この日の2歳馬としては1番となるタイムを叩き出してみせた。「跳びが大きいのでこういう条件を使いたいんだ。動きからも能力を感じる」と音無師も期待に胸を膨らませている。最近は「俺も残された時間はあと10年。そろそろダービーを目指してやっていきたい」とこぼしていたが、この馬がその夢をかなえてくれるかも。

 藤岡厩舎からはGIウイナー・リトルアマポーラの初仔エバーハーモニーがスタンバイ。入厩した当初は「ゲート試験をパスしたら一度放牧へ」と藤岡調教師は言っていたが、予想以上に馬がここにきて成長してきたため、新潟でのデビューを視野に入れるようになったようだ。「乗り込むにつれていい感じになってきました。軽い走りをしますし、いかにも芝向き」と仲田助手。母の名を高める走りができるだろうか。

 ゲート試験に時間がかかったタマモホットポットは札幌6日目の牝馬限定戦でデビュー予定。「追い切りの動きにも余裕があったし、これは走るで」と南井助手も強気だ。

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