スマートフォン版へ

これから本格化するマル外の活躍(須田鷹雄)

  • 2014年08月12日(火) 18時00分


◆2歳セール購入馬を毎年8月にデビューさせ、しかも勝ち上がらせている和田正道師

 今年の2歳外国産馬は既に10頭がデビュー、そのうちグラブザフラッグが勝ち上がっているが、マル外の活躍が本格化するのはこれから先の時期である。というのも、2歳セール組が合流してくるからだ。

 日本人の購買が多い2歳セールは2〜5月頃行われるが、購買から輸送、検疫の期間を考えると、2月のセール組で現実的なデビュータイミングは8月以降である。実際には8月に出てくる馬はかなりテンポよく進行した場合で、9〜10月でも早いほうだ。

 そんな中、毎年8月に確実にデビューさせ、しかも勝ち上がらせているのが和田正道師だ。すっかり定番になったグリーンファームのマル外、アースライジングがスタンバイ。早ければ17日のダート1200mでデビューとのこと。ヘニーヒューズ産駒は産駒によっては芝をこなすが、この馬はごりごりのダート馬だと思うし、和田メソッドに乗っかる場合はそのほうが確実だ。

 バレッツマーチセールで取引された馬のうち、同馬以外はまだ入厩もしていない。2歳トレーニングセール組は「一回作り直す」という方法もあるので早い=正しいではないが、POG的に早いこと自体はありがたいことでもある。

 OBSマーチ勢ではワンダフルラスター、ランディングバースのシルク勢が最初に入厩し、既に後者はゲート試験後放牧に出た。前者はゲートのあとそのまま競馬まで行く可能性もあるようだが、時期的にもうすこしダート新馬の選択肢が増えるタイミングくらいでちょうどいいだろう。

 シルクのマル外では、2歳セール組ではないがマイグリュックも入っている。父Invincible Spiritの産駒はこれまで7頭がデビューして6頭勝ち上がり。残り1頭も2、3着はしていたのでかなり安定味がある。

 個人馬主では馬場オーナーのオホーツク、窪田オーナーのヘニースウィフト、タピゴンが入厩している。8月に入ってからの入厩でまだこの先は見通せないが、いずれも関東馬なのでその中では一定の存在感がある。セール時の印象などから、ハネたときの破壊力はヘニースウィフトのように思うが、タピゴンは新規厩舎ならではの機動性というか、出走回数の確保しやすさがある。勝ち上がれば地道に走って馬鹿にならないポイントを積算してくる可能性もある。

 最後にイヤリング組の個人馬主馬でもう1頭挙げておくなら、イッテツ。タタソールズオクトーバー11万ギニーと高馬というわけではないが、育成場でも素直さが評価されていたし、先述したようにInvincible Sprit産駒は安定性が高い。父は晩成タイプだったが、産駒はPOG期間内にも十分機能してくるはずだ。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング