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父ディープインパクト、母スイープトウショウの良血馬レガッタ

  • 2014年09月10日(水) 12時00分
カノヤカンザクラ(牡 栗東・橋口弘次郎 父ダイワメジャー、母ウッドマンズシック)
 半姉にカノヤザクラ(父サクラバクシンオー/08年セントウルS-GII、08、09年アイビスサマーダッシュ-GIII)、パイアン(父Cozzene/02年セントウルS-GIII・2着)がいる良血。これにダイワメジャーを交配して本馬が誕生した。母方にWoodmanを持つダイワメジャー産駒はあまり成功していないが、2代母の父に重厚なSadler's Wellsが入るので全体のバランスは悪くない。母が伝えるスピードをこの部分がうまくサポートできれば芝向きのマイラーとしていいところがありそうだ。

バトナージュ(牝 美浦・伊藤伸一 父ステイゴールド、母フェートデュヴァン)
 セントライト記念(GII)と京成杯(GIII)を制したフェイトフルウォーの全妹。ドリームジャーニー、オルフェーヴル、ゴールドシップと同じ「ステイゴールド×メジロマックイーン」の組み合わせで、これらと同じく2代母の父にNorthern Dancer系の血を持っている。ここが「ステイ×マック」配合のポイントで、ドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟はノーザンテースト、ゴールドシップはプルラリズム、そしてフェイトフルウォーはNijinskyが入る。過去の「ステイ×マック」配合の大物はすべて牡馬、という点は気になるが、フェイトフルウォーの全妹という良血によってこの傾向を打ち破ることを期待したい。芝向きの中距離タイプ。

ペルセヴェランテ(牡 美浦・国枝栄 父キングカメハメハ、母ダイヤモンドビコー)
 母ダイヤモンドビコーは、現役時代に阪神牝馬S(GII)、ローズS(GII)など4つの重賞を制覇し、エリザベス女王杯でもファインモーションの2着となった名牝。繁殖牝馬としてはこれまでにウインマリアベール(父クロフネ/準OP)を出している。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス+アリダー」という配合は、派手さはないものの地道に走っており、これまでにJRAでデビューした10頭からマコトギャラクシー(オールカマー-GII・5着)、トーセンハルカゼ(1000万)、アルバタックス(1000万下)などが出ている。芝1600〜2400mのレンジで着実に稼ぐタイプとなりそうだ。

メジャーガラメキ(牝 栗東・小崎憲 父ダイワメジャー、母フローラルグリーン)
 半兄にダノンヨーヨー(10年富士S-GIII)、近親にマツリダゴッホ(07年有馬記念-GIなど重賞6勝)やナリタトップロード(99年菊花賞-GIなど重賞7勝)がいる良血。2代母フローラルマジックは優れた活力を伝えており、孫の代となっても活発にファミリーを伸ばしている。本馬は母の父がフォーティナイナーで、母がRaise a Native 3×4なので豊かなスピードを秘めており、前出のダノンヨーヨーはダンスインザダーク産駒ながらマイラーとなった。本馬の父はダイワメジャー。マイル前後を得意とするスピード型の種牡馬なので、この条件で堅実に走りそうだ。

ラホーヤビーチ(牝 栗東・松永昌博 父タイキシャトル、母エアラホーヤ)
 神戸新聞杯(GII)2着、新潟大賞典(GIII)2着、中京記念(GIII)3着などの成績を持つマジェスティハーツ(父ハーツクライ)の半妹。母エアラホーヤは才能豊かなスピード馬だったが、脚部不安のため[1-2-0-1]とわずか4戦で引退を余儀なくされた。「ボストンハーバー×Storm Cat×Fappiano」というアメリカンタイプの繁殖牝馬で、やや一本調子なところは感じられるものの、確実にスピードを伝えそうなタイプだ。父タイキシャトルは母に含まれるCapote、Storm Catと相性が良好。Northern Dancerがベースとなっているのでフィジカル面の強さが期待できる。仕上がり早のスピードタイプとして2歳戦から能力を全開するだろう。

レガッタ(牡 栗東・昆貢 父ディープインパクト、母スイープトウショウ)
 母スイープトウショウは宝塚記念、エリザベス女王杯、秋華賞など6つの重賞を制した女傑。トーセンスターダム(14年きさらぎ賞-GIII)と同じ「ディープインパクト×エンドスウィープ」で、2代母の父ダンシングブレーヴはディープの母の父アルザオと相似な血であるため、本馬はアルザオ≒ダンシングブレーヴ3×3というクロスを持つ。スマートレイアー(14年阪神牝馬S-GII)、サトノルパン(14年ファルコンS-GIII・2着)、アヴニールマルシェ(14年新潟2歳S-GIII・2着)などがこの配合パターンで走っている。3代母サマンサトウショウはエプソムC(GIII)の勝ち馬で、ハイペリオン4・5×5と底力十分。ディープと相性がいいチャイナロック(アデイインザライフやヤマノウィザードなどが出る)も含まれる。本馬と4分の3同血のスウェアトウショウはアルザオ≒ダンシングブレーヴが近すぎた(3×2)せいか走らなかったが、本馬は3×3なので問題ないと思われる。懸念材料があるとすれば気性だろう。母のうるささが子に伝わっていなければ期待十分。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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