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橋口弘次郎調教師/菊花賞(3)『一緒に世界へ行けたら、僕の競馬人生は最高の締め括りです』

  • 2014年10月23日(木) 11時58分
(Part2のつづき)

激白

▲ワンアンドオンリーの父ハーツクライの有馬記念、幸運のネクタイを身につけて


ハーツクライで参戦したイギリスの想い出


 念願のダービー制覇を、自身が管理していたハーツクライの子供で成し遂げた橋口調教師。その2重の喜びは、ダービー当日に身に付けていたネクタイにも伺える。

「ハーツクライは世界に連れて行ってもらった馬で、一生忘れられない存在です。そのハーツが、有馬記念を勝った時にしていたネクタイなんですよ。フランスに行って凱旋門賞を見た時に、GI用にと勝ったもので、その後ドバイでも付けてそれも勝ったし、イギリスでも着けていい競馬をしてくれました。その後何回か着けたんですけどあんまりご利益がなくて、ちょっとやめていたんです。でも今回はハーツの仔だから、一緒に応援しようっていう気持ちで締めて行きました」

 ハーツクライが勝った有馬記念――と同時に、ディープインパクトが負けた有馬記念という印象が強い。その後の活躍を知れば、ディープを負かすことも十分に納得だけれど、当時はディープインパクトの勝利を確信していた人が多かったはずだ。

「僕自身も、勝ってびっくりしました。わずかに頭にあったのは、ジャパンCレコードという速いタイムで走って、負けはしたけれど、そんなに差はないのかもしれないという気持ち。もしかしたら、付け入るスキはチラッとはあるのかもしれないと。ただ、あの馬を負かすのは至難の業だと思っていました。勝った時は、ボーっとしてましたね。周りもシーンとしていて、声も出なかったです。あれはもうずっと伝説になるレース、ディープを語る上で必ずうちのハーツが出て来ますよね」

 種牡馬になってからは、ディープインパクト産駒の活躍が圧倒的だったけれど、ジャスタウェイを筆頭に、今年の春はハーツクライ産駒が席巻した。オークス、ダービー、安田記念と3週連続でGIを勝ち、種牡馬としての実力を見せつけたのである。今後ワンアンドオンリーは、常にその偉大な父と比較されることになるだろう。

「ハーツに似てますけど、体はハーツの方がひと回り大きかったですね。でも、今の時点での完成度はワンアンドオンリーの方が上です。

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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

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