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ハービンジャーの2勝産駒はいつ出る?(須田鷹雄)

  • 2014年11月04日(火) 18時00分


◆ハービンジャー本人には申し訳ないが、このまま派手な活躍馬が出ないほうが…

 11月1週目にロカとダイワミランダが新馬勝ちし、ますます好調のハービンジャー産駒。しかし一方で「上のクラスで勝っていない」とも言われ始めている。

 とはいえ500万条件以上のクラスに出走した事例そのものがまだ7レースのみ。スワーヴジョージがアイビーS、トーセンバジルが紫菊賞に2着しているので、全く頭打ちになっているということはない。

 ちなみに過去の活躍種牡馬はというと、サンデーサイレンスが7月にプライムステージで札幌3歳S(当時)を勝っているが、ディープインパクトは500万条件勝ちが11月6日、オープン勝ちは12月25日のラジオNIKKEI賞(ダノンバラード)だから、まだ焦る時期にはないだろう。

 さらに、初年度産駒の立ち上がり成績がいまひとつだった種牡馬を振り返ってみると、シンボリクリスエスは2歳時の500万条件以上勝ちがなく、オープンとあわせて[0-4-2-13]。最初の500万条件勝ちは1月のサクセスブロッケン、オープンも同馬で2月のヒヤシンスS。重賞は3月・アーリントンCのダンツキッスイだった。

 スペシャルウィークも2歳時には2勝馬が出ず、500万条件以上で2着があったのもマイネルスペリオル(シクラメンS)のみ。500万条件勝ちは3歳1月で、さらにこの世代からは世代限定戦のオープン勝ち馬は出なかった。

 こうしてみるとこの時期に2勝クラスの有無を語ることは意味がないし、下手をすると初年度産駒の成績全体を見ても評価はできないかもしれない。

 ディープインパクトのような少数の例外を除けば、どの種牡馬でも重賞クラスは世代ごとに数頭で、クラシックロードでシルシがつくレベルとなると1頭か2頭。運が悪ければゼロもある。最初にラッキーな世代に当たると種牡馬は過剰評価されるし、最初がアンラッキーな世代だと過小評価となる。

 ハービンジャー本人には申し訳ないが、このまま派手な活躍馬が出ないほうが、来年のPOG指名やリアル馬主のセール購買において、ハービンジャーの妙味は増すように思う。これだけ勝ち上がっていて最終的に丸はずれということは考えづらく、一方で手控える人が出るほうが手を出す人にとっては有利になるからだ。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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